よこたーん3
最近、高木とあまり会えていない。
とはいえ同じクラスなんだからもちろん学校では会うし、休み時間に話したりはするんだけど、なかなか二人っきりにはなれなくて……高木は何も感じてないんだろうか。
ちょっと前はほとんど毎日一緒に帰って、公園で話したりファーストフードに寄り道したりして、帰りはいつもいいよって言ってんのに高木が俺んちの近くまで送ってくれて、曲がり角の電信柱の陰で必ずキス、してたのに。
ここ一週間はキスはおろか手に触れることすらできてない。……だって全然一緒に帰ってないんだもん。
「本っ当ごめん……よこたん先帰ってて?」
「いいよ……待ってるし」
「だめだめ!遅くなったら危ないしまぁそれは俺が送れば問題ないけどいやいや待ってる間どんな輩に目ぇつけられるか分かんないからやっぱだめ!」
「…?はぁ」
よく分からない理由で俺が高木を待つことすら許されないまま一週間。
高木は勉強ができないわけではない。けど、ちょっとドジで頭が悪いところがあって。
この前の期末試験の時、数学の回答欄を見事に全て一つずつずらして記入し大方の予想通り0点を取った。だけど記入した回答自体はほぼ合っていたようで、罰として一週間の庭掃除が言い渡されてその後金曜日に再試験をさせてもらえることになった。
「ってうわっもー試験始まんじゃん!じゃーごめんな横田!また月曜な!」
「……ん、…がんばって」
寂しい。率直にそう思いながら挙げた片手をだらんと下げた。
と、急ぎ足でかけていったはずの高木が、思い出したように踵を返してこちらに寄ってくる。何事かと思えば『絶対待つなよ危ないから』だそうだ。
念を押すように言われ、俺は了承の意を示してから仕方なしに下駄箱へと向かった。
キタコレ展開
キリリク番外編よこたーん3
最近高木に触れていない。
高木とああいう関係になって、やらしいこともするようになって、自分は思ったよりも性欲が強いのだということが分かった。
だって、全然足りない。
たった一週間まともに高木と触れ合っていないそれだけで、寂しくて堪らないんだ。
今日は放課後家に誘おうかななんて思ってたのに、結局帰る羽目になったし。
「……高木のばーか…」
自室のベッドにねっころがって、ぽつりと独りごちる。無意識に拗ねるように頬が膨らんでいるのに気付いて慌てて直した。
「………」
たかぎ。
明るくていつも笑いながら周りとふざけ合ってるくせに、俺に対してはかなり過保護で心配性で、ひどく甘やかしてくる。あんまり様になってないけど何気に格好つけで面白いとこもあるし、裏表がない正直なとこも好きだ。俺の発言に表情をころころよく変える姿は見てて飽きない。
……アノ時は普段絶対見せないような熱の燈った雄の顔になるよな。あの顔に迫られると正直弱い。
それに、声も低くなって…耳元で名前を囁かれたりするともう駄目だ。勝手にスイッチ入っちゃう。
高木はいつも俺がエロ過ぎて自分ばっか興奮してるみたいなこと言うけど、全然そんなことないと思う。高木の興奮してる姿を見るとこっちが煽られるし、たまんなくなる。
「……っ!」
下半身にずんと重い感触がした。ハッとして、それでも頭の中から情事の時の高木の姿が消えなくて、みるみるうちに下肢に熱が溜まってしまう。
「〜…っ」
おそるおそる下腹部に手を伸ばす。形を変えつつあるソコを布を上からそっと撫で、目を閉じる。
高木……
優しい、気持ちを確かめ合うようなキスから始まって、それがどんどん激しくなって、それから獣みたいにお互いを求めて。
高木の熱っぽい瞳や甘く吐き出す吐息を思い出しながら、下着の中に潜り込ませた手をゆっくり動かして熱の塊を育てていく。
「…ふっ……は…っ」
見る間に立派になって涙を流す棒の先から粘着質のそれを指に絡め、滑りをよくしながら律動を速める。
あぁもうやばい。
最近してなかったし、頭の中高木のことでいっぱいで、すぐ出そう……
――その時。
「っ!!」
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