聖闘士星矢 | ナノ

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天秤としょうもない話だよ集


まだ慣れぬこの宮。
均衡と調和を司る天秤座の黄金聖闘士としてここに来たのはいいものの、若き青銅聖闘士らがこの十二宮を昇るのはまだ先。
それまでに、少しでも多くの情報を集め、ここでの生活に慣れねばならない。


「ふぅん、貴方が新しい天秤座の黄金聖闘士?」
「……誰だ。」
「初めまして。私はこの天秤宮の専属女官って言ったところかしら?」
「(さしずめ監視役と言ったところか。)」


背後に現れた女を一瞥する。
長く艶のある髪が風に靡き、そこから垣間見える黄金の瞳がこちらを見ている。
その顔はどこか楽しそうに見えた。


「まぁ、天秤座の黄金聖闘士ってことは貴方は悪い人ってのではないんだろうけど……。
なあに? マルス様の寝首でも掻きに来たのかしら?」
「……。」
「あら。もしかしてクールキャラだったりする?」
「……。」
「アテナ様なら火星だよ。」
「! ……。」


突然の女の告白に驚きながら、その真意を探ろうと女を見る。
女は口角を上げて、さぞ面白そうにこちらを見ていた。


「ついでに言うとちょっと急いだ方がいいかもね。アテナ様の力は弱まっている。」
「……なぜそんなことを俺に言う。」
「私ね、マルスの下についた気はないの。」


質問に答えず、女はそう言う。
当初つけていたマルスへの敬意はとれ、面倒くさそうに奴のいる天を見上げた。


「ちょっとした契約でここにいるわけなんだけどね。私が付き従うのはただ1人。」


そしてまた黄金の瞳と目が合う。


「天秤座の黄金聖闘士だけよ。」
「…………。」


女の唇が弧を描いた。


「ま、貴方が望む限りのことはするわよ。」
「構わん。誰かの力を借りようとは思っていないからな。それに。」
「信用できない、でしょ?」
「……。」


女は目を薄めた。


「信用する必要はないわ。ま、とりあえず今日は挨拶だけ。この宮の守護者は貴方。しっかり守ってね?」


そうして女は踵を返した。だが、すぐに振り返る。


「そうだ。ここのことは基本的全部私がやるから、貴方は修行でもしてなさいな。
……もういい大人なんだから、今度はさぼっちゃダメよ?」
「!」
「じゃね、新しいご主人様。」


女は終始笑みを浮かべながら宮内の一室に入った。


「…………。」



はて、どうして俺のサボリ癖をしっている?



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まだ大丈夫な玄武さん

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