FF零式 | ナノ
現実は残酷で
「ナマエッ、しっかりするんだ、ナマエ!!」
「っ……ぐッ、…え……す?」
「あぁ、僕だ。意識はあるな? 大丈夫か!」
「…は、は……ゆ…だん、…た…、」
「すぐにマザーのところへ連れて行ってやるから、もう少し我慢してくれ!」
「…え、…す……も、…だめ。」
「何言ってるんだ! しっかりしてくれ、マザーならなんとかしてくれるから! だから!」
「……わた、し…わかる……も、…たす、か…らな……、」
「馬鹿なこと言うな!! いいから黙って――!」
「、えーす……。」
「だから!」
「す、き…だよ……。」
「ナマエっ、頼むから、そんなこと言うな!」
「…ずっと、…す……き、だ…た……よ…。」
「ナマエ、ナマエ!! しっかりして、目をあけるんだ!」
「…………。」
「ナマエ!!」
「…………。」
「………僕は、泣いて…?」
「…………。」
「…彼女は、……。」
.
また記憶が欠けた。
無表情でノーウィングタグを拾う。
名前に心当たりは、ない。