Ｏrigin.

緑と白金と

「あれ、トンベリ？」

「…………。」

「１人みたいだね。クラサメ隊長はどうしたの？」

「…………。」

「もしかしてはぐれちゃった？」

「……。（こくり）」

「そっかー。それじゃ、私と一緒に探そっか！」

「……。（こくり）」

「よし、それじゃ、抱っこしてあげる。
あ、包丁は私に向けちゃダメよ？ 絶対ダメだからね！？」

「……。（こくり）」

「よーし、いい子いい子！ おいで！」

「ナマエ？」

「あ、エース！」

「どうしたんだ？ ……って、トンベリ？」

「どうやらクラサメ隊長とはぐれちゃったみたいなの。
これから隊長を探しに行くところ。」

「僕も行く。」

「いいの？」

「あぁ。」

「ありがとう！」

「……。」

「エース？」

「いや、……その、抱いていくのか？」

「うん。ダメ？」

「ダメじゃないが……いい気はしないな。」

「あ、ごめん……。」

「いや、……だがトンベリが自ら歩くよりは早いだろうし、……。」

「……隊長見つけた後、……エースの部屋行っていい？」

「え？ ……あぁ、もちろん構わないが……。」

「たまには一緒にいよ？」

「……あぁ、そうだな。それなら、早いところトンベリを返すぞ。」

「えぇ！」

「…………？（こてん）」

「すぐに隊長に会わせてあげるからね。」

「…………。（こくり）」


.
隊長もトンベリを捜していたようだ。