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名探偵コナン×刀剣乱舞 0520
静かな昼下がり、少しオシャレなカフェで外を眺めながらアイスコーヒーを一口、うん、美味しい。営業の帰りだろうか、少し疲れた顔で外を歩くサラリーマンに心の中でエールを送り先程頼んだサンドウィッチを口にしようと持ち上げ、

「キャァーーーーッ!」

またかよとしか言葉が出ない、ここは土地ごとお祓いしてもらった方がいい絶対何か憑いてるからな。ため息をつく、持ち上げたサンドウィッチからトマトが零れ落ちた。




「あれれー?」

聞いたことのあるわざとらしい子どもの声に私は聞かなかったことにすると決めた、だが目の前の刑事さんーー高木刑事が先にコナンくん!と反応してしまったせいで私も無視するわけにはいかなくなってしまった、コナンくん!じゃねーんだよ早く事情聴取なりなんなりして解放してくれ下さい。
突然由凪お姉さん、と声をかけられて体には出なかったが心臓が跳ねた。ギギギ、と音が立ちそうなほどゆっくりと、会いたくなかったという感情を全く隠さずに振り向くとニコニコ愛想の良い笑顔をした眼鏡の彼が手を振った。

「や、やあ」

「由凪お姉さんどうしてこんなところに?まさかまた事件に巻き込まれたの?」

「好き好んで巻き込まれてるんじゃないんだけどね!」

また、というのはここ米花町に来てからこういった事件に偶然居合わせてしまったりこいつや少年探偵団や眠りの小五郎やその他諸々に巻き込まれてしまうことが多発していたからだ。原因の1つである少年は絶対思っていない顔で可哀想に、と言った。可哀想ならほっといてくれ。

「由凪さんはもう少し気をつけられた方がいいと思いますよ」

は?とコナンくんに合わせていた目線を声の方に上げると原因の1つである人の良さそうな笑顔をしたイケメンがいた、もう最悪だ今日は厄日かなお祓いは私が行かなきゃいけないのもしれない。

「…ご心配、どうもー」

「安室さんどうしたの?今日はポアロにいるんじゃなかったっけ」

「休憩ついでに買い出しに行こうと思ってね、ちょうど通りかかったら由凪さんがいるものだからつい」

「そういうの別にいらないのでさっさと買い出し行って帰られた方がいいですよ」

「つれないなあ」

眉を下げて困ったように笑う安室透という男は少し前までよく行っていた喫茶店ポアロのアルバイトであり探偵らしい。よく行っていた、というのは最近何が目的なのか分からないが私に気があるという話をポアロ内で堂々としやがったせいで安室さん目当ての女客からは鬼のような目を向けられ蘭ちゃん園子ちゃんにはきゃーきゃー黄色い声を浴びせられて以来いつ行っても口説くような言葉をかけてくる安室さんに会いたくなくて避けているからだ。
なのに、事あるごとに蘭ちゃん園子ちゃん女子高生組に連れて行かれたりコナンくんに連れていかれたりこうして事件で会ったり巻き込まれたりで全然避けれていない、いつか私が刺されたら末代まで呪ってやる。
気付けばコナンくんはさっさと現場に行ったようで私と安室さんの2人になってしまった本当にきつい空気がしんどい。

「安室さんも事件の事調べに行かれたらどうですかやっぱり探偵ですし気になりますよねそうですよね是非とも行ってらっしゃいませ」

「事件ならコナンくんがいるから大丈夫ですよ、それより僕は貴方のことが心配で」

「全然大丈夫なのでお気になさらず」

「…というのは建前で、本当は僕が一緒にいたいだけなんですけどね」

で、出た!イケメンの照れスマイル!この男は本当によく自分の顔の作りを分かっているな!だがしかし、ただの女であればこの笑顔にノックアウトされていただろうが私はこのレベル、またはそれ以上の顔面偏差値達と日々を過ごしているのだこの程度で私を倒そうなんて100年早いわ私を倒したければ粟田口ボーイズ(一期一振を除く)を連れてきな!
その後も安室さんによる言葉と顔の攻撃を適当に流しているといつの間にやら事件が解決したらしくコナンくんが戻ってきた、戻ってこなくていいから早くこの男を連れて帰ってくれ。

「由凪お姉さんこの後暇?暇だよね?一緒にポアロ行こうよー!」

「それはいい案ですねコナンくん、では僕も一緒に」

「いや安室さんは早く買い出し行かないとダメでしょあと私は暇じゃない」

「急ぎのものではないので明日にでも買いに行けば大丈夫ですから」

やばい、両サイドを抑えられた、このまま連れて行かれるのだけは本当に勘弁してほしいまた前みたいに謎の質問攻めがしたいだけだろ君たちは。なんとかして逃げる口実を探していると真後ろからわっ!と大きな声が耳に響きうわっと声が漏れた。

「はっはっは!どうだ驚いたか主!」
「もう!びっくりしたよ鶴丸お兄さん!」

「すまんな少年、だが人生は驚きがないとな」

いたずらが成功した子どものように笑う鶴丸とその後ろからやれやれといった様子で歩いてくる薬研。見た目だけなら薬研の方が子どもなのに鶴丸の方が子どもに見える、流石我らが薬研ニキ。

「迎えに来たら警察やらパトカーがいて何事かと思ったがまた、みたいだなたーいしょ」

「いやもう本当返す言葉もございません」

「いやいや俺っちは別に責めてるわけじゃないんだ!大将の無事だけが気がかりだったんだ、何事もなさそうでよかった」

そういう事気軽に他の子に言っちゃダメだよ薬研、あとさっきのたーいしょってやつもう1回言ってほしいな。
ぐっと突然鶴丸に肩を組まれて何事かと思えば何やらにやにやしてる顔が近くにあった。

「それじゃ俺たちは帰るとするか!」

「いや分かったから耳元で大きな声を出すな」

「待って下さい、僕たちは由凪さんに少しお話があって」

「そうだよ!僕もっとお話したいー!」

「悪いが大将はちょっと疲れてるみたいでな、今日はもう休ませてやってくれないか?」

そう言うと相手は強く出れず言葉に詰まっている様だ、いいぞいいぞもっとやれ、まあ私別に疲れてないけどこの2人と関わるとろくな事にならないから早く帰りたい。
それでは、と声をかけて家の方に歩いていく。今日も今日とて米花町は危険だ。


「(この俺が背後に立たれた事に気付かなかっただと…やはり奴ら只者ではない)」




米花町で歴史を変えようとする奴らを探しながら不具合修正を待っている審神者達と普通の人間じゃないなと怪しみまくる探偵達のよくわからない日常。
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