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黒子のバスケ 1221
もう、どうでもよかった。笑いあった友達はひそひそと私を遠巻きに見るだけ、弟は視界に入れることさえ苦だとでも言いたげな表情。本当、なぜ生きているのかさえも不思議である。

すべてを否定したかった。ガチャリと開けば一面に広がる青い青い空と、全ての原因。今日はお供がついてないんだね、まあどうでもいいけど。


「ねえ由凪ちゃん、お願いがあるの」

「…何」

「ふふふっ、あのね、みんなのために、死んで?」


愛らしい笑み、けれど零れる言葉は愛らしさの欠片もない。あの子に言われて死ぬのなんてしゃくだけど、これで理由が出来たと思えば気にならない。
いいよ。その一言をあの子へと放ちフェンスを乗り越える。事件になったりするのかな、お母さんもお父さんも悲しむのかな。まあ私の分の愛情を全て弟へつぎ込んでくれれば幸いかな、なんて。
さようなら、もう二度と会いませんように。カシャンと軽い音が耳に響く中、世界が反転した。





ぴぴぴぴっぴぴぴぴっ
聞き慣れた機会音、薄っすらと目を開けると…あれ、ここ、自分の部屋だ…。私は、死に損ねたのか?目覚まし時計の下には日付が表示されている、その数字は私の目を完全に覚めさせる。
忘れもしないこの日、あの子が、転校してきた日。おかしい、だって私は屋上から飛び降りて…。頬をつねってみると鈍い痛み。…夢じゃ、ない。
怖い、なんで、どうして。ぎゅっと布団を抱きしめる。おかしいよ、だって、だって。突然、部屋の扉が開いた。


「由凪ー朝ッスよー…えええ!?ゆ、由凪が起きてる…!!?」


びくり、姿を見た瞬間肩を震わせた。そういえばいつも起こしにきてもらっていたな…いつから無くなったっけ。……とりあえず、折角なのだからもう一度生きてみよう。もしかしたらあの子は来ないかもしれない。脳の片隅にやったあの頃を思い出し、あの頃のように凉太へ声をかけた。






カシャン、また、あの音。フェンス越しにはあの子の姿、やはり未来は変わらなかった、いや、変える勇気がなかっただけかもしれない。また私はここから飛び降りるのか。…次、もしもまた次があるのなら、今度こそ逆らってみようかな、この未来を変える努力をしてみようかな。二度目の反転、頬を撫でる風を感じながら目を閉じた。



ぴぴぴぴっぴぴぴぴっ
…死ねないのか、私は。目覚まし時計を止めて深くため息をつく。さて、今回こそはと決めたのだ、生きることを選ぶのだと、負けないのだと。2度も食らったんだお前の手口はわかってるもう決して屈しはしない。首を洗って待ってろクソ女、そう誓い私を起こす声を待ちながら布団に潜り込んだ。
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