コラボ | ナノ
「ブラック本丸摘発部隊?」

以前、それもこの姿になる前の、英雄王と呼ばれていた頃に就任していた本丸へ再び就任してひと月も過ぎないある日の事。
執務室でのんびりしていた所にこんのすけから持ち込まれた話。

「…私、そんな所に所属した覚えないよ?」
「あの、誠に勝手ながら政府の方から勝手に…」
「なんでさ!!」

事は見事に面倒臭い方向へと転がっていた。

「で?そのぶらっく?本丸摘発部隊とやらに勝手に入隊させられていて?活動日がちょうど1週間後と?」
「…はい」
「あの狐、鍋にしちゃろか」
「信、顔怖い」

己のサーヴァントの1人である織田信長…通称「信」の顔を見て怯える短刀。

「しかし、そのぶらっく本丸、とはどのようなものなのでしょう?」

と首を傾げる那須資隆与一。
その言葉に肩を跳ねさせる男士達が。

「…そうだね、3人には話しておくべきなのかもしれないね」

自分達が居る本丸が元ブラック本丸である事、ブラック本丸に分類される審神者がやってはいけない事、ブラック本丸になると男士達はどうなるのか、などを事細かに説明する士乃。

「ここが、元はぶらっく本丸であった、と…」
「他の男士達も数名はそこから引き取ってきた刀でもあるのか」
「そうだね、堀川国広がそうだよ」
「…僕の所は過度の出陣により、仲間が何振りも折られた所でした」
「…ここは」
「女性の審神者による強制的な夜伽、食事が与えられない、手入れもしてもらえない…ブラック本丸にカテゴリーされる事項を全てやり通したような本丸だよ」
「っ…酷い」
「で、でも!!主が来てから変わったのも事実だよ!」
「清光…」
「多分、その摘発部隊はそういった本丸を増やさない為に作られたような所なんだろうね」
「んで?行くんか?」

がちゃり、と腰に下げた刀を鳴らしてそう問う豊久。

「分かってるくせに」
「正義の味方だもんなー、行かねぇはずがねぇ」
「私も手伝いますよ」
「ありがとう、お豊、信、与一」

こうして、ブラック本丸摘発部隊への士乃の正式な参加が決まったのであった。
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