ネタ部屋 | ナノ
フェンリルさん宅の夢乙女が出ます

軽く夢乙女+αの設定です

高橋夢乙女(23)
日本の政財界のドンとか呼ばれる高橋家のお嬢様のはずなんだけどやることなすこと破天荒。ヤバい奴は大体友達。
現在は急成長を続ける巨大企業ウルクの役員兼副社長。噂では私設の護衛が50人弱いるらしい。

ギルガメッシュ(25)
巨大企業ウルクのCEO。歩く性格破綻者。金ピカ。
ズッ友のゆめっち、エルキドゥと組んで大概やばいことをやっている。

エルキドゥ(25)
巨大企業ウルクの役員兼副社長。
ズッ友のギルとゆめっちに悪ノリする。
常識人枠に見せかけたぶっ飛び枠。






朝早くに鳴り響くチャイムの音で士乃は起こされた。

「んんん…今何時だと思って…」

のそのそと玄関口へと向かい、ドアを開け…瞬時に閉めた。

「な、なななななな…!?」
「おぉぅい、士乃っちー…あーそびーましょ!」
「何で夢っちちゃんがここに!?」

再びドアを開けるとそこにはいつもの如く表情を変えないまま、大荷物な護衛を3人引き連れている夢っちちゃん…夢乙女が立っていた。

「朝から大声出して何事…夢っちちゃん!?」
「やぁ士郎っち!!ご機嫌麗しゅう!」
「え、や、何で!?じいさんの話じゃメキシコに…」
「つい先日帰国した。何だ、切嗣から何も聞いていないのか?遊びに行くと連絡を入れたんだが」
「…あのねぇ、何回も言ってるけど、じいさんは携帯なんて見る暇ないよ…それに昨日今日に限って立て続けに仕事が舞い込んできてて更に確認する暇もないんだって…だから、連絡はじいさん以外にって…」
「すまん、すっかり忘れていた」

てへぺろ、と変わらない表情で言った夢乙女に呆れて何も言えない士郎と士乃。

「いつまで玄関先でくっちゃべってるつもりです?」
「こら宗三」
「あ、悪ぃ。バーサーカー!!」

士郎の呼びかけに奥の方からやって来たのは筋骨隆々の巨体。

「彼らから荷物を受け取ってくれるか」
「…」
「あっ…」

夢乙女の護衛達が持っていた荷物を全て一人で持ちきり、そのまま奥へと引っ込むバーサーカー。

「…凄い」
「久しく見ないうちに筋肉量が増えたな、あのSP」
「そりゃ、うちのSP達と毎日のように手合わせしてたら…ねぇ?」
「その中に士乃が入ってる事を忘れんなよ」
「…てへぺろ」
「まぁ上がってけよ、今日は皆でUSJに行く予定だったんだ」
「成程…タイミングが悪かったか?」
「いや、そうでもない。どうだ、一緒に行かないか?」
「いいのか?」
「ん」

士乃が指差した先には目を輝かせながらそわそわしている小さな少年の姿が。

「…小夜、行きたいのか?」
「!!う、うん…」
「…士乃っち」
「大丈夫、大勢の方が楽しいからね」







「USJ着いたでー!!」
「ここが、ゆーえすじぇー…」
「嬉しいですか、小夜」
「…うん」
「んじゃまぁ、ここからは自由行動という事で!!」

まるで打ち合わせをしていたかのように和葉が夢乙女と宗三の腕を、蘭が士郎の襟首と江雪の腕を、イリヤがコナンと小夜の腕を掴んで連れて行く。
その場に残されたのは、平次と士乃のみ。

「…なんでさ」
「あいつら…!!」

わなわなと震える平次。
そして、ちらりと隣を見てすぐに視線を逸らす。
今日の士乃は女子達監修の元、全体的に女子っぽい服装で来ている。
普段からボーイッシュな服が多い為に見慣れないその姿に胸の高鳴りを抑えられない。

「あ、あー、行く、か?」
「平次はどれに乗りたい?」
「や、俺は別に…士乃はどれに乗りたいん?」
「んー…どれにしようかなぁ」

手元のパーク内案内のパンフレットを眺めながらどれにしようか迷う士乃。

「ほな、これはどや」
「ジュラシック・パーク…いいね、面白そう」
「決まりやな、行こか」

一定の距離を保ったまま移動する2人。
そんな2人の後を尾ける人影が4人分。
言わずもがな、和葉に蘭、夢乙女とイリヤ達だ。
他の男子達はパーク内を巡るらしい。

「何であんな微妙な距離を保つん…!!」
「見事に一定の距離をそのまま保っているな」
「服部君、意外と奥手なのかしら…」
「あれが10年も続いていたのね…阿呆みたい」

やれやれと溜息を吐くイリヤ。

「でも良かったん?イリヤちゃん、士乃に恋人出来るん反対やったんやないん?」
「ん、んー…そうなんだけど、こうも長年焦れったくやられちゃうと、むしろ開き直って応援したくなっちゃうんだよね」
「士乃っちも士乃っちで、かなりのニブチンだからな…」
「これで何も進展なかったらバーサーカーにぼっこぼこにさせてやるんだから」
「うちの歌仙も貸してやるが?」
「待ってそれはアカンやろ!!歌仙?さんはどうかは知らんけど、バーサーカーさんはあの見た目やで…!?」
「え、えええええ…」

そうこうしてるうちに目的地へ着いたらしく、士乃と平次はアトラクションへと乗り込む。

「こういうアトラクションって初めてだからワクワクする…!!」
「あー、士乃ん所の親父さん、かなり過保護やったからなぁ…絶叫マシンとかあかんかったな」
「何が喉が痛むから止めておきなさい、だ。それが絶叫マシンの醍醐味だっての…思いっきり叫んでやる」

乗り物が動き出し、アトラクション内をゆっくりと移動する。

「恐竜だ…へぇ、結構細かく作られてるんだな」
「やっぱり見るんはそこなんやな」
「ちょっと気になるからね」

乗り物はぐんぐんと進み、いよいよ最後の落下地点へ。

「っ…ちょっと怖いかも…」
「珍しいな、士乃が怖がるなんて」
「未知のものは怖いのは当たり前だって…ねぇ、平次」
「ん?」
「…手、繋いでもいい?」
「っ!?お、おぉ!!俺はかまへんで!?」
「ありがと…」

するり、と平次の手を取り、きゅっと弱々しく握る士乃。
内心歓喜と困惑でいっぱいいっぱいになり、思わずその手を握り返す平次。
そして、アトラクション終了後に出てきた2人が手を繋いでいるのを見て、思わずガッツポーズをした女子約4名が居た事をここに記しておく。
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