企画 | ナノ
おっす、オラギルガメッシュ!!
ある日、士郎とのんびりふらふらと散歩していたら聞き慣れた、というかモロ知ってる学園の門構えが見えちゃったもんだからオラわくわくすっぞ!!
こうして地の文でキャラ崩壊してしまうくらいにはな!!

「…某キスより凄い乙女ゲーム、だと…!?」
「何言ってんだよ、ギル…」
「…おい士郎、俺の頬を殴れ、これは夢かもしれん」
「本当にどうした!?」

混乱してるんだ、分かってくれ。
ちなみに殴られたら本当に痛かった、夢じゃなかったしガチ殴りしてきた士郎は許さん。

「…」
「うわ、めちゃくちゃ悪い顔してんじゃねぇよ…」
「事実、悪い事を考えているのだから仕方あるまい」
「…俺は何も聞かなかったぞ」
「あぁ、士郎は何も知らないし聞いていないし見ていない」
「程々にな」

理解力のある奴で助かる。
いざ学園へと入ろうとすれば、バリアーの様なもので拒まれる。

「ふん、まぁいい」

バビロンからエアを出そうと「…英雄王、様?」

「…またか」
「久し振りね?」

うっそりと微笑むのは、縁あって知り合いになった第五天魔王ことお市の方。
と言うか貴様、何故この学園の制服を…

「待て、読めた、第六天魔王だな?俺の知っているあやつと似たような行動をしよってからに」
「あら、英雄王様のお知り合いにも兄さまと同じような人が?」
「…まぁな」

脳内に「是非もないよネ!!」とか例のグダグダな姿で出て来たが知らん、知らんからそう自己主張するな!!

「でもそう、英雄王様もこちらに」
「こっちに、と言うよりかは混ざってしまった世界、とでも言うべきだろうな。ここの隣町は、冬木だ」
「!!」

さぁっとお市の方の顔色が青くなる。
大方、聖杯が発動してしまった場合の事を危惧しているのだろう。

「安心しろ、聖杯戦争は終わった」
「え…」
「俺が居るんだ、あんなもの発動させてたまるか」

ぽんっとお市の方の頭に手を乗せて撫でる。

「それじゃあ…どうして英雄王様はまだ…」
「そんなもの、決まっている。ここに居る方が楽しいからだ」
「…相変わらずなのね」

呆れたような顔をするお市の方。
だがな、俺の行動原理の大半を占めているのは、面白いか面白くないか、それだけだ。

「そう言えば、学園に何か用だったんじゃ…」
「いや何、侵入してやろうかと」
「こらこらこら」

袖を引っ張られて止められる。
何故止める、こんなに面白そうな事。

「私の知り合いって事で入ればいいじゃない」
「それはそれで面白くないだろ」
「もう…」

苦笑しながら、俺の手を引いて学園内へと案内してくれるお市の方。

「それで、お市の方はどのコースを?」
「作曲家コースよ」
「ほぅ…アイドルコースでもやっていけるとは思うがな」
「皆して同じ事言うのね…」
「お、織田…!?」

声のした方を見れば、あらびっくり。
見た事のある顔が勢揃いしていた。

「皆?」
「な、なななな…!!」
「しっかりしろ聖川!!」

メンバーの中で1番チビ…ゲフンゲフン、背の低い少年がこちらを指差して口を金魚のようにパクパクさせている青年の肩を揺さぶる。

「お市の方、保護者組は」
「雹牙達はお留守番」
「それはまた」
「あ、あの!!貴方は、織田さんとは、どういう関係なんですか…!!」
「な、七海さん!?」
「どういう関係、って言われても、ねぇ?」
「こういう関係としか」

お市の方の肩を抱けば、一層あがる悲鳴。

「もう、英雄王様?」
「おっとタンマ、婆娑羅は勘弁してくれ」

にっこりと笑ったお市の方に身の危険を感じ、すぐさま降参のポーズを取る。

「…ん」
「ま、マサ…?」
「俺は、認めんぞ…!!貴様のような、神宮寺のようなチャラ男が、織田と、そのような関係などと…!!」
「聖川お前さ、所々俺に対して酷くない?」
「邪魔をされては敵わん…お市の方、失礼するぞ」
「へ?きゃっ…!!」
「「あーーーーーーーー!!」」

お市の方を横抱きにして、走り出す。
その後ろを物凄い形相で追いかけて来る聖川という青年。

「な、何!?何で真斗はあんな顔で追いかけて来るの…!?」
「相変わらずの鈍さかお前は!!しっかり掴まってろ!!」
「ひゃあ!!」

お市の方を片腕に乗せ、そのままバビロンから発射した天の鎖を木の枝に巻き付け、ターザンロープの要領で木の上へと乗る。

「な…!?」
「英雄王様っ!!」
「いやな、久々にからか…ゲフンゲフン、面白そ、ゲフンゲフン、体を動かしたくてな」
「誤魔化しきれてないしっ!!後、お尻触ったでしょ!!」
「不可抗力だ」
「…さん」
「お?」
「貴様だけはっ!!許さん!!」
「ひ、聖川さんが燃えてる…!!」
「愛されてるな、お市の方」
「へ?」

さて、この鈍感なお姫様の為に恋のキューピットとして一肌脱ぎますかね。
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