ぽけFate | ナノ
皆さんおはようございます、こんにちは、こんばんは。
俺は英雄王ギルガメッシュです。
今回、悪戯好きの母上の思惑で何故か衛宮士郎に生まれ変わってしまった。
これもう、怒っていい気がするんだがどうだろうか?
俺の(衛宮士郎としての)両親は俺が物心つく頃には事故で亡くなっていた。
その両親の友人であった衛宮切嗣に養子として引き取られた。
自分をストーキングしていた男の息子になるなど誰が予想出来ようか。
近親相姦なんて、まっぴらごめんだぞ…??

「しろー!」
「どうした、イリヤ」
「こ、この子!他のポケモンに苛められてて…!」

そう言う義理の妹の腕の中にはぷにぷにのゼリー状の組織で包まれた1匹のポケモン。
あぁ、言い忘れていたが…俺達が生まれ変わった世界はポケットモンスター、略してポケモンと言われる生物が人と共に生息している世界だ。
イリヤが助けたポケモンをポケモンセンターへと連れて行く。

「ジョーイさん!!」
「そんなに急いで、どうかしましたか?」
「妹が苛められていたポケモンを連れて帰って来て…!!」
「!!それはユニランね…この担架に乗せて頂戴!」
「ジョーイさん…助かるよね…?」

イリヤが心配そうにジョーイさんを見上げる。

「えぇ、大丈夫よ」

そう言ってにっこり笑って治療室へと入って行く。

「士郎…大丈夫かな…」
「大丈夫だろ…ジョーイさんの腕を信じよう。母さんに連絡してくるな」
「うん…」

義理の母親であるアイリスに連絡を入れ、治療が終わるのを待つ。
待っている間に待ち疲れたのか、俺の膝の上で寝落ちるイリヤ…何この天使、俺の妹可愛すぎないか。
しばらくして治療室への入り口が開き、ユニランとジョーイさんが出てくる。

「治療終わりましたよ」
「おっ…と、イリヤ、起きろ。治療終わったみたいだぞ」

イリヤの肩を揺らし、起こそうと試みる。
と、こっちを見たユニランとばっちり目が合う。
ユニランが花咲くような笑顔を見せたかと思うと…

『まー!!』
「なんでさ!?」

とんでもない事叫びながら俺に突撃してきた。

「待て待て!!」
「んー…士郎煩い…」
『まー?どうかしたの?』
「外部情報が多過ぎてキャパオーバー起こしてるんだが…!!」

イリヤを起こし、ユニランを引き取って家へと帰る。

「で?何で俺がまーって呼ばれるんだ」

自分の部屋でユニランと向き合って話し合いをする。
ユニランの言葉が分かるのはあれだ、母上の仕様だろう。
今更驚かん、慣れって怖いな。

『ねぇねがわたしをたすけてくれた!』
「イリヤの事か…」
『まーがやさしくこえかけてくれた!』
「だからそこなんだよ…何がどうしたらにぃにとかじゃなくてまーになるんだよ…!」

にーとかでもいいだろう…!

『まーのて、とてもあたたかかった!』
「イリヤも撫でてたんだがなぁ…」

この後、イリヤが俺や両親の前でユニランと離れたくないとごねにごねて、俺がユニランを引き取る事になったのは言うまでもないな。
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