ぽけFate | ナノ
「待っておりましたぞ、士郎君」
「こんにちは、ハラさん。あ、これ焼いたんでご家族の皆さんでどうぞ」
「これは美味しそうなケーキですなぁ!」

にこにこ顔で士郎からケーキの入ったケースを受け取るハラ。

「そんな物いつの間に…」
「朝ご飯と同時進行で」
「君は何を目指してるんだ??」
「さぁ…?」
「さてさて、士郎君。君にはこの3匹の中から1匹を選んでもらいますぞ」

と、ステージのような所に出された3匹のポケモン。
1匹は赤と黒の毛並みを持った猫のようなポケモン、もう1匹は青い体躯にレースのような襟を持ったアシカのようなポケモン、最後の1匹は薄茶色の体毛に全身を覆われたフクロウのようなポケモン。

「端からほのおタイプのニャビー、みずタイプのアシマリ、くさタイプのモクローですぞ」
「ニャビー、アシマリ、モクロー…か」

1匹1匹、目を合わせて選んでいく。

「…うん、決めた」
「では、どの子にしますかな?」
「このニャビーに…」

「します」、そう言おうとしたその時…

『やっぱり、羽の大きさの違う僕は選ばれないんだ…』

「!!」

ぼそり、と聞こえたその声に目を見開く。
羽、と言っている所から言ったのはモクローだろう。

「…モクロー、ちょっとごめんな」
『えっ!?』

両羽を広げると、確かに左側の羽の方が小さい。

「おや…そのモクローは羽の大きさが違うようですな」
「よく気がついたな」
「他の新人トレーナーに渡すわけにはいかないだろう…その子は後で野生に返し「この子に」む?」
「俺、この子にします」
「!?」
『ほ、ほんと…?僕でいいの…?』

涙目で首を傾げるモクロー。

「君がいい、君じゃなきゃ駄目な気がするんだ」
『っ、僕も!!貴方がいいです!!』

泣きながら士郎に飛びつくモクロー。

「ハラさん、いいですか?」
「いいも何も、君とモクローはお互いにお互いを必要としている…否と言う理由がありませんな!」

こうして、士郎の最初のポケモンはモクローに決定したのだった。

モクロー、ゲットだせ!!
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