ぽけFate | ナノ
村へ戻ると、ククイ博士が1人の恰幅のいい男性と談笑をしていた。

「お、戻ってきたか士郎」
「はい…あの、その方は…??」
「あぁ、紹介しよう。メレメレ島のしまキング、ハラさんだ」
「初めまして」
「初めまして、イッシュ地方から来ました士郎です」
「ほぉ!わざわざそのような遠い土地から1人で…若いのに感心ですな!時に士郎君、遺跡の方角からカプ・コケコ鳴き声がしましたが、何かありましたかな?」
「カプ…??」
「このアローラ地方には4匹の守り神が居りましてな。このメレメレ島の守り神はカプ・コケコと言うのです」
「…それって、こう…黄色いトサカのある、腕に盾みたいなものをつけた?」
「おぉ!正しくカプ・コケコですな!」
「そのポケモンには吊り橋の所で会いました。俺が風に煽られて谷へ落ちてしまって…」
「な!?大丈夫だったかい!?」
「大丈夫です、カプ・コケコに助けてもらいましたから」
「あの気まぐれなカプ・コケコが…」
「それと、これを俺に渡していきました」

リュックサックから先程の石を取り出す。

「!!それを、カプ・コケコから託されたんですな?」
「託された、と言うか放り投げられた、と言うか…」
「成程、成程…」

くしゃり、と破顔するハラ。

「士郎君、先を急ぐかね?」
「え?いえ、ゆっくり旅をしようかと…」
「ならば、1日ここに泊まって行きなされ」
「そりゃあいい!部屋は俺の所の空き部屋を貸そう」
「あ、ありがとうございます…?」
「それと、その石を預かりたいのだが…安心してくだされ、明日には返します」
「はぁ…」

輝く石をハラに預け、翌日に新しく貰えるポケモンと共に渡すという約束をし帰路につく。

「今夜はご馳走にしよう!」
「あ、じゃあ俺が作ります。お世話になりっぱなしで申し訳ないですし」
「…料理得意なのかい?」
「よく言われます」

半信半疑なククイ博士の様子に、内心やる気満々になる士郎だった。
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