Fateコラボ | ナノ
彼女…シオン・フローライトを抱きかかえ、エアで部屋まで連れて行き、怪我の治療をする
彼女は俺が俺として生きる前の、それこそオリジナルの『ギルガメッシュ』を知っているらしい。
どういう経緯で知ったかは治療の後に聞くとして、この後の状況をどうするかを考える。
彼女はあの2人に追いかけられていた、それから察するに、彼女は彼らにとっての大切な存在か何かなのだろう。
あの2人の事だ、このまま引き下がるわけがない。
それに、彼女は子供で女の子だ。
抱きかかえた時の慌てた様子やエアを取り出した時の驚いた様子を見ると、本当にまだまだ幼く、脆くて弱い。
そんな彼女1人であいつら2人の相手など出来るわけが無い。
ならば、令呪をこのままにしてあいつらから遠ざけつつ彼女を守れば「……ギルガメッシュ、様?」

「何故敬称をつける必要がある」
「ええと…あなたがあなただから…?あ…先程は、ありがとうございました…私はシオン・フローライトと申します、聖遺物もなく貴方を何故呼んだ、いや呼ぶことが出来たのかわからなくて……その、貴方が契約を破棄したいと言うのならば破棄致しますが……」

あくまで礼儀正しく、こちらの機嫌を損ねない言い方をするシオン。
成程、あいつの中でのオリジナルの俺は怒らせてはいけない立ち位置らしい。
1度だけ契約を結んだ事がある彼は、気さくで、優しくて、他人思いのいい奴だったのにな。(まぁ、その前の他のマスターと契約していた頃のあいつは酷かったがな)
椅子に座って、シオンを見下ろす。

「貴様は、何を怖がっている?」
「へ?」
「気丈に振る舞っていても、目は口ほどに物を言う。――俺が怖いか、女」

少しばかり威圧をかけてみる。

「何故、俺がオリジナルのギルガメッシュでないと分かった?貴様は、この世界の、何を、知っている?全て正直に話せ」

ここを、この聖杯戦争を知っているのなら、彼女が俺を使って優勝しに行くかもしれない。
聖杯を欲しがるのかもしれない。
まぁ、そんな事ないとは先程の契約解除を持ちかけた言葉で十分分かっているが…念の為だ。

さぁ、シオン・フローライト…お前はどう出る?
この俺、ギルガメッシュに何を望む?
この先どうなるかは…貴様次第だぞ。
TOP