Fateコラボ | ナノ
※言峰綺礼が誰おま状態です。格好いい言峰綺礼は居ません、居るのは乙女言峰だけです。

「傷を見せよ、言峰綺礼」
「いっ…!」

腕を掴めば顔を顰める言峰綺礼。
面倒臭い事に、腕が折れているようだ。

「クーフーリン、添え木になるような物を寄越せ」
「は?」
「こいつ、腕が折れているようでな」
「マジかよ…待ってろ、探してくる」

その間に他の傷の手当てをする。

「…何故私を助けた」
「助ける事に理由がいるか?」
「…ふん、あの女の真似をする訳では無いが…偽善者だな」
「その偽善者に助けられておいて何を言うか」
「くっ…」
「よし、手当ては終わりだ」
「英雄王、こんなのでいいか?」
「うむ、十分だ」

折れているらしい腕に添え木をして固定する。

「こんなものだろう」
「随分と手際がいいな。料理といい手当てといい…」
「料理、だと…?」
「ん?おぉ、英雄王の奴すげぇメシウマなんだぜ」
「…私より先に食べたのか」
「は?」
「いや、何でもない」
「なんだ、腹が減っているのか?」
「ギル…まさか…」
「俺が直々に手料理を振舞おう」
「やっぱりね!」
「随分とお人好しだな…」
「悪かったな…これが俺なんでな」

この性格はどうにも変えられそうにない。

「さて…立てるか、言峰綺礼」
「…下の、」
「ん?」
「下の、名前で呼んでも構わない…」

目を伏せてそう言う綺礼。
心なしか頬が赤い気が…熱が出たのか?

「嫌な気配を察知してしまった…!ギル!そいつから離れて!」
「?何故だ、シオン。怪我人には優しくしないといけないのだぞ」

唯一無二の朋友であるエルキドゥが生きている時に教わった事だ。

「違う!そういう意味じゃなくて!!」
「うん?」
「そ、それでだな…その…」

ちらちらとこっちを見てくる綺礼。
この展開は知っているぞ…

「ゆっくりでいい、話してみよ」
「あ、あのような事を、した後で、言い出しにくいのだが…わ、私も仲間に加えてもらえないだろうか…」

ほらな…こうなるわけだ…

「どうする、シオン」
「(些か潤んだ瞳と赤い頬なんて見てないよ、見てないよ私!!)そ、そうだね…」

し、シオンの目が笑ってないんだが…?

「…遠坂時臣は、どうするの?」
「あの男など、どうなろうと私が知った事ではないな」
「あぁそうだね…そういう男よね…」
「もし、私が裏切ったと思った時は、その時は殺してくれても構わない」
「…これ、ほんとにあの言峰綺礼…??」
「…俺は慣れてるが?」
「え?」
「歴代の言峰綺礼は、俺に出会った途端にあぁなる」
「それを先に言ってよ!!心の準備してなかったからギャップの脳内処理に忙しいよ!!」
「す、すまない…?」

ど、どうして俺は怒られているんだ…??
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