「ただいま…」
「お帰りなさい灯真さん!!」
「…敦は俺の癒しだわ、撫でさせろ」
「へ!?」
わしゃわしゃと頭を撫で回す灯真。
「あの…皆さん待ってるので行きません?」
「おー」
部屋に入ると、先程は居なかった昭久がソファーで寛いでいた。
「あ、帰ってきてたんですね。お帰りなさい、昭久さん」
「あぁ、ただいま。灯真ちゃんもお疲れ様」
「あざっす」
真向かいのソファーに座ると、背後から抱き締められる。
「…乱歩こら」
「寂しかったー」
「はいはい…」
肩にぐりぐりと顔を埋める乱歩の頭を撫でる灯真。
「で?現場はどうだった?」
「酷いもんでしたよ。遺体はバラバラに切断されてました」
「う、わ…それは酷いですね…」
「敦もいつか行くんだからなー」
「げー…」
と、和気藹々としていたその時…
(がしゃぁぁぁぁぁぁん!!)
「「!?」」
「っわぁ!?」
社の窓ガラスが何者かによってぶち破られた。
その衝撃で灯真がソファーごとひっくり返る。
「襲撃か!?」
昭久は己の得物を構える。
「こんにちはー」
「失礼する」
そこに立っていたのは、儚げなすらりとした体躯の全体的にふわふわした男性と、上下を黒い軍服で身を包んだ女性だった。
「何事だ!?」
ばたばたと奥からも数名駆けつける。
「あれー、山野さんに夢乙女ちゃん、ハチ君じゃない。久し振り」
「乱歩君、久し振りだねぇ」
「高橋夢乙女…!!」
「はいはい、国木田君は落ち着いて。敦君は箒と塵取お願い」
「ひぇ!?あ、はい!!」
「いっつー…後頭部しこたまぶつけた…」
「大丈夫かイ、灯真」
「晶子さん、すんません」
与謝野の手を取り、立ち上がる。
ここで灯真は初めて『機関』の存在を知る事となるのだった。
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