治療道具が事務所にある為、合流した後すぐさま戻る。

｢乱歩！ここに寝かせな！！｣
｢助かるんだよね！？｣
｢妾の異能力を侮るんじゃない！！男共は湧いて出る雑魚を蹴散らしといておくれ！！！｣

治療室の医療用ベッドに灯真を寝かせると追い出され、ばんっ！！！と目の前で乱暴に治療室のドアが閉められる。

｢湧いて出る雑魚って言ってもね…｣
｢他の皆が帰ってくるまでここで粘るしかないね｣
｢いや、しかし…あまり社を壊すのも…｣
｢動くな！！！｣

と、黒服の男達が事務所に侵入してくる。

｢！！！来たっ！｣
｢ちっ！太宰は乱歩さんとどこかに隠れてろ！｣

胸元から手帳とペンを取り出そうとする国木田。
だが…

｢…お腹が、空きました｣
｢あ？ガキはあっちに行って(ぶんっ！！)っ！？｣

――異能力≪雨ニモマケズ≫

ふらふらと男達に近寄り、片手で放り投げたり鳩尾に拳を入れて気絶させたりする宮沢。

―雨ニモマケズ、風ニモマケズ

｢ぎゃぁぁぁぁぁぁ！！！｣

首はへし折られ、腕や足は妙な方向へ捻じ曲げられる。

―拳ノ嵐ニモ銃弾ノ雨ニモマケヌ丈夫ナ身体ヲモチ

｢…灯真さんの治療の｣

―サウイフモノニ、ワタシハナリタイ


｢邪魔をするなぁぁぁぁぁぁ！！！｣


｢お、おぉー…｣
｢よ、良くやった…｣
｢はぁぁぁ…お腹空きました…｣

へなへなと座り込む宮沢。
そのお腹は盛大な音を鳴らして、空腹を訴えていた。

｢ん、これあげる｣
｢？乱歩さん、これ…灯真さんから貰ってるお気に入りのお菓子ですよね…？いいんですか？｣
｢…お礼、だからさ｣
｢！！ありがとうございます！！｣

その後も様々な刺客が来たが、持ち前の武力と国木田の異能力である≪独歩銀客≫で創り出した武器などで応戦する。
与謝野の異能力、≪君死給勿≫での灯真の治療はまだ長引きそうだ。