「…」
これは一体どういうことだろうか?
内番が終わり、休憩がてら本丸の縁側でうとうとしていたら、いつの間にか…赤、青、黄、黒、紫、緑、水、桃、茶と様々な色のポケモン…ブイズに囲まれていた。
「…どうしてこうなった」
「すぴー…」
茶色…イーブイなんか、山姥切の膝の上に寝ている。
「サンダッ!」
ぐりぐりと、背中に頭を擦り付けてくる黄色…サンダース。
「ふぃー…」
「ふぃあー…」
知った事かと、縁側で日向ぼっこに勤しむ緑色と桃色…リーフィアとニンフィア。
「グレイシャ…」
「シャア…」
そんな2匹を冷めた目で見つめる青色と水色…シャワーズとグレイシア。
「ブラッキ」
「ぶいー」
それらを生暖かい目で見守る黒色と赤色…ブラッキーとブースター。
「…」
ただ単にそんなブイズ達を観察している紫色…エーフィ。
はっきり言おう、カオスだ。
「おや…人気者ですね」
「!あ、いや、これは…」
「うぉ!すげぇ事になってんな、山姥切!」
偶然通りかかったロゥツァオと獅子王がこの光景に目を丸くする。
「人見知りなイーブイが…普通に寝てます…」
「…こいつ、人見知りなのか?」
3人の視線の先のイーブイは…お腹を上に向けて寝ている。
「動物に好かれやすいんだなぁ…」
うんうん、と頷く獅子王。
「…」
「サンダッ!」
きらきらした瞳で山姥切を見つめるサンダース。
「…」
恐る恐る頭を撫でると、嬉しそうに掌に擦り寄る。
「…可愛いな」
「でしょう?」
にこり、と笑ってブースターとブラッキーの頭を撫でるロゥツァオ。
「主さん!俺も触っていい?」
「勿論です」
「ぶぶいっ!」
てしてし、と獅子王の足を叩くブースター。
「おっ!触っていいか?」
「ぶいっ!」
「あんがとな!」
わしゃわしゃ!とブースターを撫で回す獅子王。
それからというもの…
「…」
(とてとて、)
「…」
(とてとて、)
「…」(ちら、)
「!!ぶいっ!」
まるで、親について行く雛のように山姥切の後をついて行くイーブイと、それに困ったように微笑む山姥切の姿が見られたらしい。
ぶいぶいぶい!(可愛いは正義!)
(「親子、みたいです」)
(「サンダ…」)
(「…行って来ればいいでしょう?」)
(「!サンダッ!」)
(雛がもう一匹増えました)
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