NARUTO | ナノ
「ねぇサスケ君!」

我愛羅と出掛けた翌日の朝、教室前で1人の女子に話しかけられたサスケ。

「…何だ」
「サスケ君、我愛羅さんと、その、付き合ってるって本当!?」
「…!?!!?」

驚きで固まるサスケ。

「…待て、誰がそんな嘘を流した」
「嘘、なの…??で、でもサクラちゃんが、昨日街でサスケ君が我愛羅さんに好きって言ってるの聞いたって…頭も撫でてたって…」
「…あいつか」

そして、あの時か、と納得するサスケ。

「別に、あいつと俺はそんなんじゃない。あいつとは…」

そこでふと、彼女と自分はどんな関係なのだろう、と考える。
恋人でないならば、何だと言うんだ。

「…」
「さ、サスケ君…??」
「…おい」
「な、何?」
「俺とあいつは、どんな関係に見える」
「え!?えっと…友達、かな?親友に見えたりするよ」
「…友達」

そんなもの、必要とも作ろうともしてなかったのに、いつの間にか出来てしまっていたらしい。

「…そうか、友達か」
「う、うん?」
「いや、何でもない」

教室に入ってしばらくして、我愛羅が少しうんざりとした表情で入ってくる。

「…疲れてるな?」
「あぁ…朝から1歩進む度に女子に質問攻めされて…何だって言うんだ…」

ぶつぶつと文句を言いながら席に座る我愛羅。

「私とうちはが恋仲に見えたなどと…私みたいな女子が相手だとうちはも嫌だよな?」

ずるっと転けそうになるサスケ。
その見た目で言うかお前。

「噂は噂だろ…それに、俺とお前はどうやら友達に見えるらしい」
「?何を言っているんだ、既に私とうちはは友達だろう?」

きょとんとした我愛羅が言い放った言葉に呆気に取られる。

「…そう、思っていたのか」
「うちはは思っていなかったのか!?」

酷い!と落ち込む我愛羅に自然と笑みがこぼれる。

「…友達と、そう思っているのなら」
「うん?」
「名前で呼んでくれたって、いいだろう?」
「!!驚いたな…実は、名前で呼んでいいか聞こうかと思っていた所だった」
「それで?」
「君が呼んでもいいと言うのならば、呼ばせてもらうよ。これから友達としてよろしく、サスケ」



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