NARUTO | ナノ
彼女に最初に出会ったのはアカデミーだった。
背中に身の丈に合わない瓢箪を背負っていた彼女はアカデミー生の中では浮いていた。
成績優秀、運動神経抜群、性格も良い…だからこそ、近寄り難い雰囲気があるらしい。

「…(そんな事は無いと思うんだがな…)」

腕を組んで隣の席に座っている本人の様子を盗み見る。
さらり、と揺れるダークレッドのセミロングの髪に伏し目がちの糸目。
絹のようにキメ細やかで全く焼けていない磁器のように白い肌、ぷっくりと膨やかで淡い桃色の唇は吸い付いたら柔らかそ…

「っ!!(って俺は何を考えて…!!)」

ぐわっ!!と熱くなった顔を隠すように手で覆うサスケ。
一度考えてしまうと気になり始めて仕方が無い。
そんな考えを打ち払うように息を深く吐き出す。

「…どうかしたのか、うちは」
「!?」

件の本人…我愛羅から声をかけられるとは思っていなかった為、驚きで顔を上げ一瞬呆ける。
こちらを見たその顔は、正面から見ても綺麗だった。

「いや…何も無い…」
「そう言う割には顔が真っ赤だけれど」
「っ!!」

彼女からの指摘に顔の熱がぶり返す。
見られたくなくて、再び手で覆い隠す。

「な、何も無い…!!」
「ふむ…顔を上げてくれないか」
「?何、を…」

顔を上げた瞬間、ひたりと額に当てられるひんやりとした…手。

「…!?」
「熱は無いようだな…体調が悪ければ私か教官に言ってくれ」

慈しむように微笑む我愛羅を目の前にして、胸の高鳴りが激しくなったような気がした。




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