国近のオトウト2


//10万の弟がいます=先輩(名前変換は出ません)
//ばれんたいん









出水と米屋が仮想戦闘室へと向かう為連れたって歩いていると、ラウンジの人通りが多い所で、見慣れた光景を目にした。
いや、いつもと同じ二人だが、いつもと違う。

「先輩!これチョコです!」
「お?」
「ホワイトデーのお返しは隊への入隊で!」
「ある文字を墓の後ろに置くと墓が壊れてしまう。さらにその文字を追加すると、ゾンビのようにウロウロと動き始めるという、その文字とはいったいなーんだ?」
「え……え!?」

唐突にはじまったクイズに戸惑うしとど。
またもからかわれているしとどに出水と米屋は興味をそそられ二人に近づく。

「はい、時間切れ」
「んんんんん!!!」

先輩が非常にもそう告げれば、しとどが崩れ落ちた。
見事に地に沈んだしとどに米屋が噴き出す。出水は呆れたように声をかけた。

「またやってるんすか」
「米屋、出水」

いつ見ても小さい先輩は二人を見上げて、見てたんだと呟いた。
これだけ人通りが多い中で、あんなでかい声でしとどが叫んでいたら誰だって気が付くだろう。
特に先輩は現在色々な意味で注目を集めているため、どこに行っても人目を引く。

「ちなみに今の答えは?」
「い」
「嗚呼…墓の後ろの置くと破壊で、さらに追加すると徘徊か…」
「はいかいってなんだ?」
「流石米屋、期待を裏切らないな」

米屋が安定の馬鹿さ加減を発揮し、先輩はそんな米屋に生温かい視線を向けた。
しとどが床に沈みながら恨みごとを呟く様な声で嘆く。

「なぜ俺はいつもそんな簡単な問題が解けないんだ…」
「頭は良いのになー」
「頭がよ過ぎてくだんない問題はうけつけねーんじゃね?」
「お、出水。先輩の出す問題がくだんねーっていうのかー。お兄にあることないこと吹きこむぞ」
「マジすんません!勘弁してください!!!」
「ぶはっ弱!」

出水が瞬時に腰を折って謝罪すると米屋が噴き出す。
出水にとってプライドとあの人なら余裕であの人が勝る。つまり惚れたもの負けだ。
先輩はそんな出水に満足そうに頷いて、しとどにもらった袋を開けはじめた。
そう言えば、チョコとか叫んでいたな。米屋がしとどに手をさしだす。

「つか俺らには?」
「ありませんよ。なに男に集ってるんですか」
「ひでー。先輩にはあんのにかよー」
「よねやん先輩は尊敬できないんで」
「普通に酷ぇ!」

冷たい目で返すしとどに先程の先輩への態度との温度差に今度は出水が噴き出した。
しとどがよっこいしょと呟いて立ちあがり、先輩のチョコをさす。

「つかこれ自体も、どっかのクソ姉が「友チョコつくるんだー!チョコってレンジでチンすれば溶けるよねー?板チョコの周りの銀紙って剥がすの?」とか言い出したから、死者を出さない為に手を貸したんです」
「流石、国近。俺ですらレンジに入れようとは思わない。あと紙を剥がすのは誰にも分かるだろ」
「え?レンジに入れたら溶けるんじゃね?」
「焦げるんですよ。流石よねやん先輩、うちのねーちゃんと同列ですね」
「おっと、絶対零度ー」
「バカが大嫌いだから、しとどは」
「おい、お前が俺を馬鹿っていうなよ、弾バカ」
「同列にすんな槍バカ」
「安心しろ、お前らどっちも馬鹿だから」

出水と米屋の軽快な遣り取りをばさっと斬った先輩に、酷ぇと米屋と笑うと、どうやら先輩は影浦と待ち合わせをしていたらしく首根っこ掴まれて回収されてしまった。
しとどはそれを恨めしそうな目で見送っていた。








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