私は恋を知らない子だった
私の家計は『陰陽師』
そのため私は『道具なんだ』、『道具は道具で命が尽きるまで道具なのだ』と自分で言い聞かせていた
でも、1人の男の子が教えてくれた
『君は道具なんかじゃない!君は俺と同じ人間だよ!!』
と、彼は教えてくれた。私は頬に涙が流れたのがわかった。彼は私に近づくなり優しく抱きしめてくれた
それから彼のことを気になり出した
彼は『緑川リュウジ』君と言うらしい(サッカー部のマネージャー春奈ちゃん情報)
今はFFI大会に出るためイナズマジャパンとして練習をしているらしい
私は少しみて見たくて秋ちゃんに許可をもらい見学をしにきたのだった
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練習を見るとそこには選ばれた16人の選手達がいた
もちろんその中には緑川君の姿もあった
ずっと私が見ていたのか緑川君が気づいて振り向く
私は恥ずかしくなり目を逸らす
すると緑川君が近づいてきた
「君、あの時の子だよね?『道具』だって言ってた子」
「う、うん。あ、あの時はありがと」
「もう自分のこと『道具』だって言うなよ。俺が悲しくなるから」
「どうして?緑川君は関係ないのに」
「関係なくないよ!この際言っちゃうけど俺は『君が好き』だから!!」
「っ!//」
練習中の選手にも聞こえるぐらいに緑川君は私に告白をした
「えっと.......わ、私も君が好き///でも、私......恋とか知らなくて.....」
「だったら俺が教えてあげる。だってそれは彼氏の特権だからね」
緑川君はウィンクをしてから
「今日、練習終わったらデートしよ」
「あ、うん」
「そうだ!俺の名前は知ってるのに俺、君のこと知らないから名前教えて?」
「風見 祐奈」
「祐奈ちゃんか。可愛い名前だね」
頬にキスだけして緑川君は練習に戻って行った
横からは秋ちゃんが笑っていた
「な、何で笑うの〜」
「ご、ごめんね!でも、緑川君も大胆だね」
「うん//」
私は練習をする緑川君を見る
暫くして練習が終わり緑川君は着替えを済ませ私のいる正門まで走ってきた
「ごめんね、遅くなって」
「ううん。練習お疲れ様、緑川君」
「っ!!」
私は緑川君の頭を優しく撫でる
緑川君は少しぴくっと肩を揺らしたが嬉しそうに目を細めた
「じゃ、行こうか」
「何処に行くの?」
「いろいろだよ」
緑川君は私の手を取って走り出した
緑川君に繋がれた手はとても暖かくって私は『これが恋人なんだ』と思ったのだった
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ショッピングを楽しんだりゲームで遊んだり緑川君とのデートは楽しかった
でも、デートはあっというまで私と緑川君は雷門中のグランドの近くの芝生に腰を下ろした
「緑川君、楽しかったね」
「うん。どう?恋ってわかったかな?」
「うん。もっと緑川君に教わりたいな」
「じゃ、またデートしよ」
「うん」
私達だけの約束をして私は立ち上がる
「そろそろ帰るね。緑川君も部活の後だから疲れてるでしょ」
「平気だよ
俺は君とずっと居たいよ」
「緑川君//」
「祐奈、キスしてもいい?」
私は顔を真っ赤にして緑川君から逸らす
でも、それに気づいた緑川君は私の手を繋いで指と指を絡ませる
「大丈夫だよ。目を瞑って俺だけを感じてればいいんだよ」
「緑川君........///」
「それと、『緑川君』じゃなくて『リュウジ』って呼んで」
「リュウジ.....君///」
「うん」
リュウジ君が嬉しそうに笑ってから顔が近づいてきて私はぎゅっと目を閉じた
「祐奈、愛してる」
耳元に囁いてから私の唇がリュウジ君の唇と重なった
『手をつないでキスして』
キスが終わりお互い離れると照れながらも嬉しそうに笑った
けど、キスが終わってもお互いの手は繋がれたままだった
(リュウジ君。あの時は偶然そこに居たの?)
(さぁ、どうしてだと思う?)
((祐奈。俺はずっと君を見てたんだよ。あの時から))
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