No.24 この手を離さないで




沖縄市街を走る私達
それを追いかける吹雪君達


この状況はまさに『鬼ごっこ』だ
でもーー


なぜなのだろうか?私はバーンに繋がれている手を見て『まだこのままで居たい』などと考えていた


「このまま、繋がれたままーー」




No.24 この手を離さないで


____________

バーンに繋がれたこの手
離したくない。でも、離さなければならない

彼は敵なのだから
でもーー

「おい!」
「っ!な、何」
「何ぼぉーとしてんだよ」
「あ、なんでもないよ」
「ほんとかよ。はぁーにしてもあいつらまけたか」

バーンはこの気持ちがわからないんだろうな
おそらく『恋』なんかわからないんだろうな

「おい、祐奈!」
「大声ださなくても聞こえてる」
「だったら返事ぐらいしろよ」
「悪かったわね」
「お前ってさ『好きな奴』いるだろ」
「はぁ?...................はぁぁぁぁぁ!!」

驚いた。まさか、晴矢でもそんな言葉が出てくるなんて
いや、別に馬鹿にはしてないんだけどね

「完全にバカにしてんじゃねぇか」
「そうかな?してないよ」
「てめぇ.........」
「そ、それより早く私を解放しなさいよ」
「誰がするかよ。俺はお前が気に
入ったから連れ回してるだけだ」
「はぁぁ?」
「いいか!!この際はっきりしてやる。俺はお前が好きだ」
「え............えぇぇぇぇぇ!!」

繋がれた手、晴矢の目が私を射抜く

「どうせアンタも俺が好きなんだろ」
「お、横暴な!!私は.............っ!?」

な.........にこれ
私、今................晴矢に

「いた!祐奈...........」
「祐奈ちゃん」
「バーン.........君もなんだね」
「っ.........鬼ごっこはしまいだな」

晴矢が離れて行く
私、晴矢の側に居たい

でも、この手は離さなければならない
晴矢はエイリア学園のプロミネンスキャプテンなのだから

「バーンが余計なことをしたね」
「さっさと行けよ」
「レーゼ................あそこで待ってるよ」
「ヒロト...........」

黒いサッカーボールとともに晴矢とヒロトは消えて行った

___________

キャラバンに戻った私達
私はキャラバンに入り窓から外を覗いた

未だに私の頭には晴矢が言った言葉が聞こえていた

「...............晴矢」

私は目を閉じ海の音を聞いた

私は...............私は晴矢が好き

でも、晴矢に会わないといけない
会えるのかな

「祐奈」
「リュウジ君」

私は閉じていた目を開けるとリュウジ君が心配そうな顔をしていた

「晴矢が悪いことしたね」
「キスのこと?」
「う、うん.....................あのさ祐奈はヒロトと晴矢が好き?吹雪や佐久間も」
「うん、好きだよ。もちろん君も」
「///////ありがとう」
「最初に告白をしたのはリュウジ君だよ。返事遅れてごめんね」
「急だったんだから仕方ないよ」
「あ..........」

私はリュウジ君に引き寄せられる様に抱きしめられた

「祐奈、好きだよ」
「うん」

晴矢、あなたに会えたらいうよ




【好きだよ】と





「なんであの手を離したんだろうな」
「君も恋をするんだね」
「アンタもあいつに告白したんだろ?」
「君もだろ?」
「...........俺は負けねぇ」
「ガゼルにもかい?」
「当たり前だろ.................じゃぁな」







(負けてたまるか。絶対に)





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