No.22 僕の隣に居て(吹雪士郎編3)




キャラバンの中で眠る祐奈ちゃんの髪に触れる

「祐奈ちゃん.......」

僕は目を閉じてあの時を思い返す







「ね、緑川君」
「ん?なんだよ、吹雪」
「祐奈ちゃんはなんで僕のお見舞い来ないのかな?祐奈ちゃんもここで入院してるんだよね?」
「っ!.............そうだな。寝てるんじゃないか?」
「寝てるのか........祐奈ちゃんらしいよね」

それから僕は退院してキャラバンに戻ったけど君はいなかった


その後、緑川君に聞いてもキャプテンに聞いてもわからないの一点張り


どうしてだろう。祐奈ちゃんは勝手に消えるわけでもないしいなくなるわけでもないのに..........どうして


監督の顔を見ても表情は変わらない
でも、たまに苦しい顔をするのはなんでだろう.......そんなことを考えていた

それから君はキャラバンには戻らず風丸君と栗松君がキャラバンを離脱した

そして、暫くしてから君が帰って来た
僕の隣で眠っていた君









「もう、何処にもいかないで........」

僕は、そっと祐奈ちゃんを抱きしめた





No.22 僕の隣に居て(吹雪士郎編3)


__________

「ん..........」
「あ、祐奈ちゃん」
「吹雪君.............どうして?皆と豪炎寺君探してたんじゃ」
「祐奈ちゃんが心配で戻って来ちゃった」
「そっか........」

祐奈ちゃんは僕の頭に手をのせ撫でてくれた
僕は気持ちよくて目を細めお返しをしたくて祐奈ちゃんの頭にそっと手をのせて撫でた

「まだ言ってなかったね。おかえり、祐奈ちゃん」
「ただいま、吹雪君」
「もう、頭は平気そう?」

僕はそっと祐奈ちゃんの頭の包帯に触れる

すると少しだけ罪悪感を覚えた
祐奈ちゃんの包帯を替えたのが彼じゃなく僕だったら
そんなことを考えていたらコツンって音がなった

「吹雪君、暗くなったら駄目だよ」
「祐奈ちゃん........」
「頭は大丈夫たがら。心配してくれてありがと」
「心配するよ........」
「うん」

祐奈ちゃんの額と僕の額がくっつきすりすりこすり合わせる

「あはは......くっすぐたい」
「僕もだよ...........ね、祐奈ちゃん」
「ん?なぁに」
「エイリア学園のことが終わったら僕とデートしてくれないかな?」
「え///」
「駄目かな?」
「い、いいよ............稲妻町のいいとこ教えてあげる」
「うん!」

僕と祐奈ちゃんは互いに小指を出し絡めてゆびきりをした

___________

それから僕も祐奈ちゃんの横で眠っていた

その様子をまさか監督がみていたなんてね




「早くあの人を止めなきゃ。吹雪君達をこれ以上............」






僕は完璧になって皆に認めてもらわなきゃ




(完璧にならなくてもいいんだよ)
(完璧になれ、士郎)





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