「荻野さん帰国子女なんだー!」
「う、うん…」

「どこの国?」
「イタリア、です…」
「わぁ!獄寺君と一緒なんだぁ」


朝のHRで紹介され、1限目が始まるまでの休み時間。押しの強い女の子たちに狼狽しながらも、その口から出た「獄寺」に少し反応してしまう。


「帰国生、いるの?」


少し瞳を輝かせてみたら、女の子はうんうん、と嬉しそうに頷いて1人の少年を指差した。
その指の先の少年をじろじろと無遠慮に眺めてみる。銀髪、眉間の皺、不良っぽいあの格好は、どう見ても獄寺隼人。ふむふむ、同じクラスか。


「あの…このクラスに、沢田綱吉さんって、いる?」

「えぇ、ダメツナ!?いるけど…」


私の口にした質問に、女の子たちはみんな一斉に驚いた表情になる。ダメツナ…?


「あの、今、獄寺君と話してる奴」


女の子が顎でしゃくった方向。獄寺と、もう1人黒髪の、山本武と思われる人物と。
ああ、獄寺が影になっていて見えなかったけれど、そこの席にもう1人、優しくておとなしそうな顔立ちの少年。沢田綱吉さん。ほほぅ、ここは3人クラスが一緒。

私がふむふむと感心していると、女の子が顔を覗いてきた。おお、沢田さんの顔が消えた。


「ダメツナがどうかしたの?」

「いや…ちょっと、有名、だから…」


質問しておいて、された方が疑問に思うのは当然の事で。そんなことも考えていなかった自分にまだまだだなぁ、と軽い説教をしつつ、苦笑いで女の子たちに対応しておいた。


「あー、この間先輩に目付けられてたし、まあ、町内でも有名な方かも」


やっぱり沢田さんはすごい人なんだ!先輩に気に入られる町内の有名人だなんて。さすがボンゴレ10代目候補だわ。


「おーい、チャイム鳴ってるぞ」


そこら辺で話してた男子生徒に声を掛けられ、周りにいた女の子たちは散っていった。

HRの時は少し緊張していて見れなくて、その後もあの子たちが壁になってて見れなかった隣の席を見ると、色素の薄い髪の女の子だった。こちらの視線に気が付いたその子がこちらを向いて目が合う。どうしようかと戸惑っていると、にっこりと笑い掛けられた。あ、可愛い。


そして1限目の授業。沢田さんも獄寺も山本も授業態度が若干(約1名はかなり)悪く、どうやら沢田さんは勉強が苦手なようだった。
そして先生に指名された隣の席の女の子は声も可愛らしい。



ーーーーーーーーーー
人見知り

(130715)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -