「…ば、バジル君?」
「香織殿!」



放課後、特に部活とかも入っていないのでそのまま家に帰ろうとしたら、校門の所で生徒(主に女子)がたくさん集まっていた。
雲雀さん何やってんだよとか思いながらも、まあ私にだって人並みの好奇心くらいある。ちょっと群れの後ろの方から背伸びをしてちょっと様子を窺ってみた。
しかしその群れの中心にいたのが私のよく知る…って程でも無いけど一緒に修行とかした事のある彼だったので、思わず声を掛けてしまったのだ。

そしたら、

「お久しぶりです香織殿!ご無沙汰しております!」
「…な、何でここに…?」


相変わらずテンションが高いというかなんというか。まあ元気そうで何よりなのだけれども。
痛いなぁ。痛いよ。女子からの視線が痛い。その女子の中には私のことを知っている人もいるようで。
「何で平凡な八代さんなんかががあんな格好良い人と…」「確かに帰国子女だけどさぁ」とか言われて。
やだなあ。そういう視線、あまり耐性無いから傷付いちゃう。私ってナイーヴなの。


「今日は、おぬしらボンゴレに腕試しに」
「腕試しって…任務とかは良いの?」
「はい。最近は任務も無く暇で、親方様に許可を頂いてこちらに参りました」
「そ、そうなんだ…」


またヒソヒソと話し声。
「何であんな子が親しげに話してるの?」「何、あの子に会いに来たって事?」…誰もバジル君の話し方については突っ込まないんだね!
バジル君は後ろの話とか聞いてないみたいだし。


「あっ、そうだ香織殿!イタリアのお土産です」
「ありがと…あっ、これ、私の大好きなヤツ!」


バジル君に袋を手渡されて中をちょっと覗いてみたら、中には私がいつも向こうで好んで食していたチーズ。


「はい。昔よく食べていたのを思い出して」


バジル君のにっこりとした笑顔。可愛いなあ。
「何なの!?好み知っちゃってる程仲良いわけ!?」「向こうってどこよ!!」色々言われてなんか悲しくなってきた。これ以上ここにいたら私の心が持たなそうだし、ここは引き上げるか。


「じゃあバジル君、私はもう帰るね。ツナは多分もうすぐ出て来ると思うから」


バジル君に軽く手を振り、女子たちの視線から逃げるように持ち前の運動神経で走り去る。そしたらバジル君の声が耳に届いた。


「今度お手合わせ願います!しばらくは沢田殿のところでお世話になって下りますので!」


お手合わせ願いますだって。
こっちに帰ってからも頑張ってたんだから、ボンゴレの一員としてそう簡単には負けられない。手合わせ、楽しみだなぁ。
無意識のうちに頬が緩んだ。



(130406)

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