ここに来たのは久しぶりだから、たまには良いかな、なんて思った。でも、歩みを進める途中で気が付く。
私、今一人。いや、相棒のポケモンたちはいるけれど…一般常識ではポケモンは一人として数えないし…どうしたものか。
そんな事を悩みながらもなんとかなるだろ精神で歩みを続けてしまうのが私。
目的地に着くと。


「……あ」
「…あ、ああ。君か」


見知った姿を見つけたから思わず声を上げれば、なんと相手も気がついてくれたようで。


「チェレンさんも…、乗るんですか?」
「うん。でもこの観覧車は二人以上じゃないと乗れないからね。困っていたんだ」


そう言って、困ったように笑うチェレンさん。本当ならここで、一緒に乗りませんかとか尋ねたいところだけれど。私なんかが誘っちゃって良いのかな、おこがましくないかな。
ええい!もう!こうなったら誘っちゃえ!当たって砕けやがれ自分!


「あの…チェレンさ、」
「もし、君が一人だったら、一緒に乗らないかい?」
「、え」


思わず固まる。先越された。
でも、誘ってくれて嬉しい。嬉しいよ…!でもなあ、やっぱり言い掛けてたのを遮られて自分が言おうとしてた事言われるとやっぱり。まあチェレンさんだから良いけど。


「あっ、はい!喜んで!」


こういう時、上がり症じゃ無いって良いと思う。内心心臓ばくばくっていうかどきどきっていうかばきゅばきゅなのに、外面だけは平静を保っていられるし。


「よかった、ありがとう。じゃあ、早速乗ろうか」
「はい!」


チェレンさんの優しい笑顔に、私も思わず頬が綻ぶ。あっ、やっちゃった。ニヤニヤして気持ち悪いとか思われてないかな。チェレンさんの様子をちょっと窺ってみたら、大して気にした風も無くて、ちょっと安心。

チェレンさんと観覧車の中へ。低い位置からだんだん昇って行って…あ、もうすぐてっぺんだ。


「色々見えますねーっ!」
「ああ。シンオウ地方も見えるかもね」


チェレンさんの言葉に、目を瞬く。チェレンさんもそういう事言うんだ。案外子供だなぁ。


(130406)

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