「冬獅郎、今でも彼奴のこと好きなのか?」
深い意味はなかった。
ただ、彼奴を必死に愛する冬獅郎の魂を愛した。
だから、そんな魂を確かめたかったのかもしれないし、違う考えだったかもしれない。

「…愛してるんだろうな、多分。裏切られたんだって頭では十分、理解してるのに。」

あぁ、それでこそ冬獅郎だ。
愛したではなく、今も愛しているんだから。

「そうか。」

「でも、彼奴の元へは戻ろうとは思わない。…どんなことがあっても。それを知ってたから彼奴はきっと、俺を連れていかなかったんだ。」

冬獅郎は真面目だ。
本当は連れて行って欲しかっただろうに。
俺は、そんな冬獅郎を利用している。

「あぁ、わかってる。」

そうやって、愛してると囁いて、抱き締める俺を突き放さない冬獅郎は優しすぎる。

「愛が何なのか、わからない。」

抱き締められたままの冬獅郎は呟く。
俺はそれには答えずに、強く冬獅郎を抱き締めた。




壊れた愛、偽りの愛。
(そうやって今日も二人は愛し合う。)




−−−−−キリトリ−−−−−
こんな歪んだ冬獅郎と一護の関係も好きです。

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