「ほんで、これからどうなさるつもりや?」
「どうするか、かい?…僕のものにならずに他の男のものになったんだ。無論、お仕置きしないとね。」
「あちゃー、相変わらずえげつないお人や。…藍染はんは。」
「…そうかい?」

崩壊
(不穏な霊圧。)

「冬獅郎ー。」
「…日番谷隊長だ。」
「あー、うん。でさ、休憩しねぇの?」
また仕事中に下の名前で呼ばれ、
イライラしながら書類にサインをしている冬獅郎に一護は問う。
それに乱菊も賛成の声をあげた。
「一護の言う通りですよぉ、隊長。もう三時間仕事仕事仕事ですよ!?」
私、死んじゃいます!とヒステリックに叫ぶ乱菊に冬獅郎は冷たくあしらう。
「三時間続けて仕事したのは認めよう。
だがな、仕事し過ぎで死んだやつなんて聞いたことがないぞ。」
「隊長のばかぁ〜。」
「…書類を期限ギリギリまで溜めておく奴に馬鹿だけは言われたくない。」
喧嘩がヒートアップしていることに気づき、一護は冬獅郎を宥めた。
「冬獅郎、落ち着けって!」
「…日番谷隊長だと何度言えばわかる!黒崎一護!?」
怒りの矛先が完全に一護に向く。
心なしか、室内の温度も下がったような気がする。
乱菊は肩を震わせた。
「隊長、寒いです!ゴメンなさい、ちゃんと仕事しますから!!」
ふ、と室内の温度が元に戻る。
「…本当だな。」
「この松元乱菊、命にかけて守ります!」
「…その代わり、早く終われば帰っていいから。」
「…隊長?」
乱菊も一護も冬獅郎の顔を覗き込んだ。
しかし冬獅郎の表情は見えない。
「…今日は嫌な予感がする。」
ただ、言葉が部屋に響きわたった。


「ほぇー。」
何とも気が抜けるため息。
「隊長、終わりました!」
ため息とは裏腹に凛とした声で乱菊は冬獅郎に言った。
まさかあれから一時間ですべて終わらせるとは思っていなかったのであろう、
流石の冬獅郎も目をぱちくりさせている。
「あ、あぁ…お疲れ。」
お疲れと言う言葉を聞いて乱菊はよし、とガッツポーズをした。
「あ、一護。今飲み物だすからねぇ。」
突然一護のほうを見たかと思うと一言言って扉の向こうに消えた。
静寂が訪れる。
「…もう少しで終わるから。」
ぼそり、冬獅郎が呟いた。
思わず聞き逃してしまうほどの声。
だが、一護は嬉しそうに言った。
「あぁ、待ってるよ。」
「…何の話?一護。」
湯飲みを三つと甘納豆を持って、戻ってきた乱菊がにやにやしながら言った。
冬獅郎は顔を真っ赤にして、そっぽをむく。
「か、関係ない!!」
「もう、可愛いんですから!隊長は!」
乱菊の言葉に可愛い言うな!と叫んでいた冬獅郎が急にふと、黙り込んだ。
「どうしたんだ、冬獅郎?」
一護は冬獅郎の顔を覗き込んだ。
「…いや、今嫌な霊圧を感じた気がしただけだ。
気のせい、だったみたいだ…すまないな。」
「嫌な霊圧って誰の…ですか?」
乱菊が湯飲みを渡しながら聞いた。
「…藍染だ。」
ぽつり、冬獅郎が言った。


−−−−−キリトリ−−−−−
長編はじまりますた!
しかし続くのか。。。

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