「氷輪丸…」

あぁ、主が呼んでいる…。

「でてこい、氷輪丸…。」

どうしたのですか、主。

「いいから、早く。」

…わかりました。


すうっと何かから抜ける感覚がした。
同時に肌寒くなってきた。
目をあけると主の顔。
美しい翠の瞳はいつも変わらず温かい。
その瞳は心なしかいつもより輝いて見える。
何か、我が主を楽しませるものがあったのかと周りに視線を泳がせて理解した。

「…今日は雪ですか。」

「あぁ。綺麗だ。」

目を細めて微笑を浮かべる主。
その姿が何故か儚く見えた。

「…主、部屋に戻りましょうか。今日はとても寒いですから。」

「ありがとう、氷輪丸。」

何故礼を主に言われたのかわからなかった。
自分が主の儚い姿が見ていられないだけだったのに。

「だって、一緒に戻ってくれるんだろう?」
あぁ、我が主は何といとおしい事を言ってくれるのだろう。

「そうですね…。」

こたえると主は嬉しそうに笑った。



Snow day
(冷たい筈の雪が、温かく感じた。)




−−−−−キリトリ−−−−−
氷日にハマリかけています。
でもいまだに氷輪丸の言葉使いがわかりませんww


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