※ぬるいです、注意!








一護は冬獅郎が好きだ。
そしてまた、冬獅郎も一護が好きだ。
重なった想いは、一つになり恋人という繋がりへとなった。

お互いに好きだ好きだと言い合い、
(しかし冬獅郎はあまり言わない、言えないが。)
それなりには恋人だった。
恋人だったのだが、冬獅郎には一つだけ不満があった。


恋人であればするであろう行為。


そう、抱きしめるだとか、キスだとかそんな行為を一護は冬獅郎に
しようという話を持ち出さなかった。

冬獅郎はあまりそういうことはしたいとは思わない。
というか、したことがないので良いものだというイメージがない。

しかし、恋人であればする行為であることはよく知っていた。


(やはり、同性だからだろうか…。)


冬獅郎は不安だった。
もし「やっぱ、無理だわ。」とか言われたら、
もし自分との付き合いが遊びだったら、とか。

そこまで考えて、女々しいと頭を振った。
隣に本人がいるのにそんな事を考えるなんて。

「どうした、冬獅郎?」

「な、なんでもない。」

こちら側に遊びに来ている一護が、心配そうに尋ねた言葉に返答を返す。

ふと、思う。

(やっぱりどういう感じなのか気になる。)

天才児の頭は好奇心のかたまりだった。

「な、あ…黒崎。」

「ん、なんだ?」

不思議そうな顔をする一護に少しだけ、冬獅郎は近づく。
そして一護の背中に腕をまわして、ぎゅうっと力を込めた。

所謂、抱きしめだ。

「ととととう、しろ、う!!?」

突然の事で顔を真っ赤にして、あたふたする一護。

「…俺はととととうしろうじゃねえ。」

いや、そうじゃなくて!!
という一護のツッコミは冬獅郎には聞こえなかった。

「んー、黒崎。」

なんだかちょっと嬉しそうな顔で
(えへへ、とかいうオプションが付くくらい)

「キス、しないか?」

天才児様は、一護にとっての爆弾発言をした。

ピシッと固まった一護に冬獅郎は気づいて、「やっぱり嫌か?」とか
なんとか言っていたので一護はもう吹っ切れるしかない。

「あー、もう!!可愛すぎるんだよ!!!冬獅郎は!!!」

「なんだと、黒さっ……!!!?」

いきなり大声で可愛いと言われ、イラっとした冬獅郎が反論しようとしたが
口で口を塞がれた。

「ん!!!んんぅ!!!」

びっくりしてバンバン一護の背中を叩く冬獅郎の唇を
ぺろ、と舐める。

「ひっ!!?」

真っ赤な顔で小さく悲鳴をあげ、
その際に開いた口に舌を入れると、これまた「んむぅ!!?」と
声をあげた。

逃げ回る舌を、逃がすものかと
絡めるたび、びくびくと反応する冬獅郎。

「ん…んむ、くろさ…ふ…んぁ…!」

びりびりと痺れるような感覚と、優しく包み込まれるような感覚、
いつもより近くに感じる一護の香りにクラクラする。

「…っは…!」

そろそろ離せと、背中を叩く冬獅郎に
渋々と言わんばかりに口を離した一護。

「冬獅郎がしたいって言ったんだろ。」

「そうだ、けど。」

息ができない、と小さな声で言った冬獅郎にクスリと笑う。

「鼻で息するんだよ。」

次する時は、鼻で息しろよ。と笑う一護に冬獅郎は真っ赤な顔をそのままに
一護の服の袖を掴んだ。

「まだ、キスしたい。」

「りょーかい!」

一護はまた、笑った。



君に溺れて
(こんな幸せな空間があるなんて)




−−−−−キリトリ−−−−−
甘々でした。何度、砂糖を飲み込んだことか…。
こんな一日も好きです。




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