記憶のなかには。 | ナノ



キオク。




※本編とはまったく違う(?)話です。
イチヒツ気味?乱菊さんも王族特務。



些細なことだった。

俺が書類ばかり片付けていたから。

折角、同じ王族特務どうし
忙しい筈の黒崎が来てくれたのに。

「…冬獅郎は、俺のことを本当に好きなのか!?」

「それとこれとは、関係ないだろうが。」

きっと、黒崎がまたあの好きな笑顔で笑って
許してくれると思ってたから。

「…俺、冬獅郎の気持ちがわかんねぇよ。」

この、不器用な俺の気持ちを理解して
くれていると思っていたから。

「…くろさ、

「ちょっとさ、」…え?」

「ちょっと、距離開けようぜ…。」

そう言って去っていった黒崎を
追いかけることが出来なかった。





「一護、アンタ馬鹿でしょう!?」

本当に。
自分でも十分、わかっていますとも。

嫌と言うほど。

「…乱菊さん、冬獅郎の様子どうですか?」

「どうもこうもないわよ!!
…隊長、最近寝不足なのよ。いつもなら別に大丈夫って考えるわ。
でも…違うのよ、いつもとは。
それでも、任務に行っちゃったし…。」

「そう・・・ですか。」

「そうですか、じゃないわよ!!!!
一護、いい?あんたはまだ隊長とであって日が浅いわ!
100年ちょっとじゃ、隊長のいいところも悪いところも
隊長のかわいい目ほどもないわよ!!
・・・って話、それちゃったじゃないのバカ一護!」

え・・・今の、俺のせいになるのか????

「・・・ごほん、つまりよ、一護。
あんたは・・・まぁ、あんただけじゃなくて隊長もなんだけど!
愛されるのを学ぶんじゃなくて、愛すことを学びなさい!!
・・・いや、隊長の場合どちらもかな。」

「・・・どう言うことっすか?」

「あんたはそのままよ。もっと隊長を愛してあげなさい。
あんたは精一杯接しているつもりかもしれないわ。
・・・いや、周りから見てもそれはわかるんだけど。
隊長も、愛されていることは少し感じているわ。

でもね、あの人は・・・あの人は愛されないことに慣れすぎてるのよ。

隊長の過去は知ってるわね、あんた。
生前に大人・・・いえ、人間かな。人間にされた言動すべてあの人から
一生、消えることはないわ。

心の奥でいつも叫んでたのよ、あの人は。
こっちを見て、自分を、そんな目で見ないで。って!!

だからね、一護。
あの人もまた、愛し方がよくわからないのよ。・・・って一護!!?」


駆け出した。
乱菊さんの話も途中で投げ出して。

わからない、でも今、冬獅郎に会って思い切り抱きしめないといけないと
感じた。




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