彼の知らないところで
知人を作ってはいけない

自分はどうやら、深夜の知らないところで知人を作ってはいけないらしい。


「ねぇ、いい加減、教えてくれてもいいんじゃない?」

「あっ…、やっ、」


深夜が指を動かすと、くちゅりと音と共になまえの腰が揺れ動く。ひくんと動くなまえの体を深夜の手がゆったりと撫でる。まろやかな小さな尻のラインを辿って、細い腰を撫でるように支える。


「もう一度聞くよ?今日、廊下で話してたのは誰?隊の名前だけでもいいよ?あとはこっちで調べるから。」

「んっ、あっ…やっ、だめ…っ」


椅子に腰掛けた深夜の肩に両手をつき、深夜の長い足に挟まれるようにして立たされているなまえに衣服の乱れは無い。あるのは、深夜が指を潜ませた、彼女のスカートの中だけだ。幾重に重なったフリルの中で、深夜の指先がなまえを可愛がるようにゆったりと動く。


「わからないかなぁ〜。なまえがそうやって隠せば隠すほど、僕は知りたくなるんだけど。」

「あぁっ…!」


深夜の指先が、なまえの花芯をかすめる。びくんと体を揺らしたなまえは、大きく上げてしまった声にはっと口に手を当てたが、その様子を見ていた深夜がにっこりと目を細める。

「ここ、気持ちいい?」

「んっ、やっ!そこ、や、やぁ…!」


可愛いなぁ、とばかりに嬌声をあげるなまえを見詰める深夜だが、くりくりとそこばかりを刺激されるなまえはそんな深夜に気付くはずもない。
廊下で、ただ挨拶していただけだ。こんにちわ、いい天気ですね、今日は何をして過ごされていたんですか?など他愛もない会話をもちかけられて、確かに、滅多に話し掛けられない自分に挨拶をくれる人がいるなんて!と喜んで会話をしていたが、正直それ以上の会話はないので彼がどこの隊の誰なのか、なまえにもわからないのだ。
それなのに、深夜は「今日廊下で話してた男、誰?どこの隊?どこで知り合ったの?」なんて矢継ぎ早に質問されて答えに困っていると、「ふぅん、僕には言えないんだ。」と冷たく笑った深夜に手を引かれ、いつの間にかこんな状況になっていた。


「傷付くなぁ。なまえはいつから僕に隠し事するようになったの?」

「し、してなっ、ぁっ、お、おにいさま、そ、それ、やっ、んんっ、」


小さく押し潰すように指の腹で捏ね繰り回され、なまえの足はがくがくと震える。それでも深夜は「ほらほら、ちゃんと掴まって」となまえの手を自分の肩に持っていき、しっかり掴まっているように言う。震えるなまえに「…ほんと可愛い」と小さく囁き、火照った唇に唇を重ねる。唇を吸い付くように甘噛み、何度も角度を変えて口付けを深める。逃げ惑う小さな舌を追いかけ、掴まえては擽るように絡め合う。キスをしている最中でも深夜の指はなまえを愛撫し、なまえの密やかな入口に指先を宛がう。


「僕の知らないところで、知らないことするの、駄目だからね?」

「ひぅっ…!ん、んっ…!」

「男の知り合いなんて、尚更。」


つぷりとなまえの中に深夜の指が入っていく。なまえの中は深夜の指をきゅうきゅうと締め付け、中へ中へと誘おうとしている。深夜は指先を鉤状に曲げてはなまえの柔らかい媚肉を掻き分けた。


「あっ、ぁ、深夜、お兄様、も、もう…、」

「えぇ〜、これからだよ?なまえ。」


身を捩るようにして深夜の指から逃げようとするなまえだが、とろんとした瞳でそう見詰められてもまったく説得力が無い。現になまえの中は気持ちよさそうに深夜の指をくわえているし、もう駄目といいつつもなまえの可愛い喘ぎ声は深夜を煽りに煽っている。おかげで深夜のスラックスの中は熱をもって生地を押し上げている。痛いくらいだ。


「これはお仕置きだよ、なまえ。僕の知らないところで男と話をするなんて。」


ヤキモチで僕泣きそう。なんて、蒼い瞳が弧を描いた。




翌日、柊深夜少将の部屋から顔を真っ青にした一等兵の男が出てきたとか出てきてないとか。
そしてなまえはしばらく部屋から出れなくて、そんななまえの部屋に深夜が足繁く通っていたとか通っていないとか。

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