amorosamente(2/2)



ご主人様は、キズモノの私に愛玩の行為を求める。こんな黒猫獣人、ましてや喉に傷もあり喋れもしないキズモノの私に愛玩としての使い道があるのかよくわからないけど、ご主人様は私にそういう行為をする。最初はよくわからなかったのだけど、ご主人様にそういう行為をされて、べ、勉強?をして、そういう行為がどういうものかわかると、それは、とてもとても甘美なものだった。まるで、ご主人様に愛されているような錯覚に陥る。喋れない口を裂いて、好きです、と叫びたくなってしまう。今日も、今もそれが行われるのかと思うと私の心臓はどくどくと脈打ち、頭がぼおっとしてしまう。


「この服、いつ着てくれんのか結構焦れてたんだが。」


ご主人様に後ろから抱き締めれたまま背中のファスナーをゆっくりおろされた。そして背中にちゅっと口付けられて思わず姿勢が前屈みになりかけるも、お腹に回ってる腕が胸を掴みながら支えて、あ、っ、これ、どっちにも、反応してしま、うっ
このワンピースは、以前ご主人様が買ってくださったもので、あの、も、勿体なくて…、リナリーさんからのお下がりでももったいなくていつも躊躇してしまうのに、買ってもらった、こんな素敵なお洋服、わ、私には勿体なくて。


「やっぱりよく似合ってる。」


ま、今は脱がしてるが。なんてご主人様が言いながらファスナーをおろし背中を肩を背骨を、ちゅ、ちゅ、ってやったり、ぺろって舐められたり、ちゅ、とも、ぺろっ、ともいえるようなちゅくって音が背中からして、あ、熱くなってしまう。ご主人様の舌、き、きもちよくて。ご、ごめんなさい。い、今愛玩としての行為なのに、私がご主人様を気持ちよくさせなきゃいけないのに、あの、私が気持ちいいなんて、ご、ごめんなさい。


「もう立ってる…」


開いた背中からご主人様の手がするって入ってきて、悪さをする。私の下着を剥いて、胸を触る。はしたなくも、ご主人様がキスをくださってる時点でぞくぞくしてしまい全身の毛という毛その他いろいろが総立ってしまって、あの、は、はしたくなて本当にごめんなさい、ごめんなさい、ほんとうに、ごめんなさい。はしたない、わたしほんとはしたない。


「気持ちよかったのか?」


でも、ご主人様の声は楽しそうだった。
あ…、あれ?だい、大丈夫…?今のわたし、はしたなくて、大丈夫なのですか…?そう確認するように後ろを向けば優しくキスをされた。は、う。キスの最中、ご主人様の手は私の胸をいじっていて、手のひらで胸全体をもんだかと思えば、指先で胸の先を摘ままれて、声にならない声が出そうになる。で、でない、けど。
胸を弄られながら、ご主人様は私の色んなところにキスをする。肩の先を吸われたかと思えば背中の筋を舌先で舐められたり、首の後ろに口付けたり。でも一番困るのは、耳です。あの、耳は、ほんと、ぞくぞくというより、びくびくしちゃって…、は、う、ううっ


「なまえ…、気持ちいいのか?」


なんて耳元で言われて、耳が、熱い。ご主人様の息が、はあってかかって、気持ちいいのか、怖いのかよくわからない。怖い?どうして怖いって思うの?ご主人様がしてくれることでどうして怖い?で、でも怖いって思う。自分がわけわからなくなりそうで、怖い。


「なまえ」

「っ、」


するする、とワンピースの裾からご主人様の手が滑りこんできて、まるで先程の言葉の返事を促すように、ゆるゆると内腿を撫でる。う…、あ、へ、返事しなきゃ、気持ちいいか、いくないかって、あ、で、でも、わからない、気持ちいいのか、いくないか、や、い、いくないことは絶対ない、絶対ない、けど、気持ちいいなんて、それこそはしたない返事をしてしまって、いいのか、わ、わからない、


「なまえ、」


ご主人様の指が、中指が下着越しに、足の付け根と付け根の間に触れて、体がびくんってした。ひ、うっ。ご主人様の指はまるでそこを最初から狙っていたかのようにするすると撫でて、あ、あ、だ、だめ、です、お、おかし、おかしく、なる、こ、こわ、怖い、き、気持ちいくて、こ、怖いですご主人様、


「…っ、」

「いい子だ。」


思わずこくんっと頷けば、ご主人様は私の頬にキスをした。あ、う、頷いて良かったの、か。き、気持ちいいって。で、でも恥ずかしい。すごく恥ずかしかったですご主人様。


「お前は可愛いな」


耳を噛まれて、あ、あの、いま、何を仰ったのか、き、聞き取れなかった、のですが、頭、くらくらしてて、いつもみたいに、しっかり聞き取れな、い。
するすると私の中を滑るご主人様の指は、もぐりこむように私の下着の中へと入っていて、いや、あ、あの、だめ、そこ、だめです…
だめ、だめです、と思った通り、ご主人様の指は私の下着の中を滑るように入ってきてとろりと受け入れていた。ご主人様の指が私に触れやすいようにとろとろとした液体が出ているのがわかる。それが、恥ずかしくて恥ずかしくて死にたかった…。ち、違うんです、こ、これは、汗、汗なんです、決して、そういうの、ではなくて、


「…、っ、」


構わず、ご主人様の指が上下に動いて、入口を探すように指を擦り付けるように動いて、自然と腰あたりがびくついてしまう。ぁ、やぁ、や、びくびくしてしまう私を、ご主人様は何故かどきどきするような嬉しそうな顔で私を見ていた。どきどき、とは、その、ご主人様の目が、なんかこっちっぽいというか、獣のようで。目が合うとそのまま、何度目か覚えてないくらいのキスをされた。と一緒にご主人様の指がくちゅ、と私の中に入って、あ、ま、待って、待ってください、ご主人様。とご主人様の腕に触れるも、ご主人様の指の侵入をすんなりと奥まで許して、その入った指先がお腹の裏をぐにぐにとノックして、そこからすごく気持ち悪いような気持ちのいいような変な気分に侵された。だって、本当に、気持ち悪いような、でも気持ちいいような、わけわかんない感じ。


「ここ、駄目なのか?」


ぐにぐに、お腹の裏を刺激されて、ぞくぞくが止まらない私はこくこくと必死に頷くも、ご主人様が喉笑ったのがわかった。そして「そうか、」と一言いって、なぜか、あ、ゆび、ふ、増えて、あ、や、やぁ…
卑猥な水音が響いて、そんな、いっぱい、出し入れ、したら、ソファが、汚れてしまい、ます。逃げるように腰を浮かすと、まるでご主人様のお腹にお尻を擦り付けるようになってしまって、こ、これはまずい、と思うけど、ご主人様は「逃げるな」と囁いて私のお腹に腕を回した。や、ち、違、逃げようとは、思ってな…、と首を緩く振ったけど、こ、腰に、ご主人様の、その、それが当たってる感じがして、ひどく狼狽えた。あ、わ、ごしゅ、ご主人様のが、あの、あ、でも、でも、ご主人様の息、あ、荒くなってらっしゃる…。一瞬にしてどうしていいのかわからなくって、あの、ご、ご主人様…?と後ろを向けば、また獣っぽい目でにやりと笑われた。


「これか?」


なんて擦り付けるようにご主人様が腰に当ててきて、全身が火を噴きそうになる。今までの行為で、体が、わかってしまってる。こ、これを受け入れる行為を、今している。これから、する。それは、とても、濃厚で濃密な、コト。ご主人様を一番、近くに、感じる行為。


「欲しいなら、もっと乱れることだな。」


み、みだれ…?みだ、れる…?
な、何をどう、ですか…?と首を傾げる前にご主人様が私をソファへと横たわらせ、その上に少し体重がかかった。気持ちいい、圧迫感。ご主人様は私にキスをして、濡れた下着を脱がした。は、恥ずかしい。脱がされるの、とても恥ずかしい。のに、ご主人様は好んで、する。まるで俺の役目だって。そんな勘違いしちゃう。だって、嬉しそうなお顔をされるから。


「…!」

「ここ、好きだったよな。」


横たわった私の足をご主人様が開いて(…!)、い、いやです!それは!そんな!格好恥ずかしくて!ご主人様から、ま、丸見えで、ここ、は、ソファでリビングで、あの、暗くなくって、ああ、やぁ…!くちゅり、再度ご主人様の指がさっきより滑らかな動きで私の中に入ってきた。そして先程駄目だってこくこく頷いたお腹の裏を優しく引っ掻くように動かされて(だ、駄目って、頷いたのに…)全身が言うことを聞かなくなる。そんな格好は恥ずかしいので、やめてください!と上げかけた上半身が、再びソファに落ちかける。からだ、おこすの、つ、つら…。
ご主人様が指を動かすたび、ご主人様の指がしっかり私の中で蠢いてるのがわかって、い、いやぁ…。きっと今私、すごい、変な顔しちゃってる。苦しくて、でも気持ちよくて、でも気持ち悪いような、でも気持ちいい、ううん、これ気持ちいいんだ、普通の気持ちいいよりももっと違う次元の気持ちよさだから、怖くて、気持ち悪くて、気持ちいいんだ。
は、はふ、と息をしてる私を見ながらご主人様は指を動かす。中で出し入れさせたり、奥まで、つ、突っ込んだり、そのまま、お腹の裏をぐにぐにと動かしたり、こ、呼吸が、うまくできない…んんっ、ぁ、あっ
だらしなく開いてしまう口を隠すように口元に手をあてるけど、力、入らなくて全部が全部ふにゃってなってしまって、そんなところを、ご主人様に見られて、笑われてしまった。


「顔、とろけてんぞ。」


と、とろけて、ます…?そ、それは、ぁ、た、いへん、んっ、お見苦しいのを、ぁっ、ご、ご主人様、とろけてるのに、きっと変なのに、ど、どうして、あ、ん、んん、キスくれるの、ですか、ふ、
舌を絡ませてのキスをされて、せっかくのワンピースもぐしゃぐしゃで、きっとソファも汚れてしまって、でも体あつくて、ご主人様がされること、気持ち良くて、ふわふわ浮いちゃいそうなのに、ぞくぞく縛り付けられる感覚があって、もうどこからなにを考えていいのか、わから、ない


「……っ…!」


ご主人様が私の思考を打ち止めるように、ベルトを緩めた。かちゃかちゃ音がすると、ああ、どうしよう、どうしようって、私の体がざわざわして、それを望んでしまう。一瞬見えてしまったご主人様のそれに、恥ずかしくなってしまって、顔をそらしたら、のしかかったご主人様にくすくす笑われて「初めてじゃないだろ」ってキス、された。は、初めてではないですが、あの、こんな明るいところでは、初めてで、その、あ、あの
くちり、音をたててご主人様のあれが私のそこに宛がわれて、う、わ、も、もう、ぞくぞくが、止まらない……。この時ご主人様に見下ろされるのも、すごく、緊張する。ど、どきどきして、恥ずかしくも、中がひくついてしまう。はやく、はやく欲しい、なんて、私の体が恥ずかしげもなく求めてて、ば、ばかわたしのからだばか!そ、そんなはしたないこと、お、思っちゃ、だ、めっん、んんっ


「は、」


ご主人様から笑ったような息遣いが聞こえた。私のそこにあてがったまま、先をそこに擦りつけてて、は、入ってきそうで、入ってこない。ど、どうし、て……ぁ、んっ、ん


「なまえ」


呼ばれて、ご主人様を見上げれば、意地悪そうなご主人様の顔があって、心臓がきゅってなる。さっきから、ご主人様の香りがして、くらくらする(汗の、匂い)。


「どうして欲しい?」


そこをそれで擦り付けたまま、ご主人様の顔が近くなる。至近距離のご主人様のお顔はとても綺麗なんだけど、さっきも言った通り、今はとても意地悪そうなお顔をしている。ど、どうして欲しいって、ど、どうされて、ほ、ほしいんでしょうか、あ、で、でも、んっ、あの、いま、こ、こす、こすりつけるの、や、やめてほしい、です…。首をふるふる振れば、ご主人様は「へぇ」とぬるぬると擦り続け、い、いれる口の上にあるものも擦って、あっ、や、そ、それ、ぁ、や、


「ちゃんと言わないと、俺はわからない。」


なんて、そ、そんな意地悪なこと、仰らないで、く、ください…ぁっ、わ、わたし、声出ない、です


「俺は、聞きたい。ちゃんと、お前から。」


くちくちと擦られるそこは焦れに焦れて、腰が動いてしまう。は、恥ずかしい。や、やめて、くださいっ、ごしゅ、ごしゅじんさま、わたし、わたし、そんな、優しいキスをされたら、くらくらしてしまって、少し汗ばんできたご主人様の匂いだけで、すごいくらくら、してるのに、そんなにキスをされたら、声が出なくても、声に出してしまいそうになります(だめ、だめ、そんなこといっちゃ、わたし、獣人なん、だから、でも、でも、ああ、もう……だめ)。

すき、すきです、ご主人様が、すき、です。だから、だから、あの、


『ほし、い、です』


ご主人様、ください。
そう口元を動かした瞬間、ご主人様の目がギラついて、一気に貫ぬかれて、あ、ああ、あまりの、衝撃にっ、ん、あ、ずくずくと指ではないもっと固くて大きいのに押し広げられて、呼吸が震えて、でもすぐにご主人様が抱き締めてくれて、苦しい、けど、嬉しくて、思わずその背中に腕をまわしてしまった。下半身も上半身もぎゅうううっと音がなるくらいきつくきつくされて、頭が何も考えられないのをいいことに、私はおそれ多くもご主人様を、だ、抱きついてい、た(本日二度目…)。


「なまえ、なまえ」


耳元で名前を呼ばれて、それだけでぞくぞくしてしまった。いや、してしまい、ます。だ、大好きなご主人様に名前を呼ばれるのは、すごく好きなことだから。大きな手で私に触れてくれることも、こんなに近くで嗅げるご主人様の匂いも、全部、ぜんぶ好きです。


「わ、るい、がっついた…」


抱き締めていた腕が離れて(……あ、はなれちゃ、う)ご主人様が、少し苦しげな息遣いで私を撫でてくださって、無意識にその手に顔を擦り寄せてしまう。そんな私にご主人様が「大丈夫そうだな」って笑った。


「なまえ。」


……は、はい…


「少しずつでいい。我慢とか、気を使うのとか、やめろ。」


撫でてくださる手はとても優しくて、このまま、このままの状態ずっといたいと思ってしまう。


「俺は、信用ないか?」


再び、ご主人様に言われた言葉に私はゆっくり首を振った。いいえ、いいえ。そんなこと、ないです。そう首を振ったら、ご主人様は、またキスを落とした。そして私の手を取って、指を絡めた。


「少しずつでいい。ゆっくり、な。」


そう言って指にキスをしたご主人様は、今までに無いくらい、優しい表情を私に見せてくださった。



amorosamente



繋いだ指は、も、もはや、ぁ、掴まったみたいに、ぃ、手首を取られてて、ご主人様が、こ、腰を動かして、奥まで入ると圧迫感があって、離れていくと喪失感があって、あ、ど、どっちを取れば、いいの、か、ぁ、わ、わからなっ…あっんん、


「……く、」


汗ばんだご主人様の匂い、苦しげな息遣い、表情、全てが私の目を通して、の、脳を通して気持ちよく、させるっ、も、もちろん、ご主人様が動くたび、なか、擦れて、わた、し、あ、ああっ…!


「はぁ、は、」


ご主人様の息遣いが、耳元で、し、て、あっ、奥、に、当たって、抱き締められるように、繋がってて、んんっ、ぁ、もう、何が、なんだか、ぐちゃぐちゃで、きもち、よくて、どっかに体が落っこちちゃいそうで、ぁ、必死に、繋ぎとめるように、ご主人様の、すぐそこにある、みみ、舐めた。


「馬鹿っ、やめろ……、くそ、」


ぺろぺろ、舐めたらご主人様の、焦った声が聞こえた、けど、ぁ、ああっ、だめ、だめ、です、ごしゅ、ご主人様、ぁっ、は、はやく、したら、わたし、わた、し…、ん、んっ、ぁ…あっ……!!




黒猫のワルツ




その後日、買い物に出掛けたらあの時のおばあさんに会って、しまった、と思ったんだけど、おばあさんの方が「ひぃっ」って言って何処かに行ってしまった。

………?…ん?

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -