お医者様の黒猫(2/3)




やたらと濃厚なキスをした後、まだ何という行為はしていないのに自分の体が下を中心に汗ばむ程度に熱くなっていた。少し背中が湿ったシャツを脱ぎ捨てればそれを見てたナマエが「熱くなっちゃった?」と笑ってストッキングを脱いだ。華奢ではない足。しかし程よい太さは女の色気をこれでもか、と思うほど纏っていた。脱ぎ終わって見つめたナマエの表情は胸が苦しくなるぐらい妖艶だった。吐息と唾液を絡めて彼女の足の指を丁寧に舐めた。小指、薬指、中指…、手の指とは違い足にはしっかりと赤いマニキュアがされていて、彼女の職を改めて思い出す。彼女は医者だ。そして自分はそんな彼女をいつもは患者が寝ているベッドに押し倒して犯している。(いや、犯されている。)


「ユウ、好きにしていいのよ。」


──言われなくとも。
神田は足先から顔をあげて彼女の腹へと跨がり首筋へと舌を這わせた。気持ち良さそうな吐息が聞こえて確実に神田の興奮度が上がっていく。首筋を舐めた瞬間浮いた背中に手を入れて下着のホックを外した。すると彼女のブラジャーはふわりと浮き上がり、胸は抑えをなくして形をはっきりと露にした。するりと彼女の肩から肩紐を外して下着を白衣とシャツと一緒に床に落とした。ナマエの一糸纏わぬその姿は男を惑わす。この姿に一体何人の男が理性を失い彼女を喰らい、喰らい尽かされたか。そして自分はその男達の何人目なのだろうか。


「あら、考え事?」

「うるせぇ、してねぇよ。」

「ぁ、んぅ…せっかち、ね…。」


このベッドで一体何人の男と一緒に寝たんだと考えてたなんて誰が言えるか。神田は微かな嫉妬心を誤魔化すようにナマエの下の割れ目へと指を入れた。最初はひだを開かせるようにつぅと入れた指だが思った以上に濡れていたそこに神田の口端がにやりと上がる。


「せっかちなのはどっちだ?もう濡れてんじゃねぇか。この淫乱。」

「ん…ふっ、はや、く…」


とろりとした液体を指に絡めて、その蜜のような液体が出ている入り口を触ればナマエから快楽の表情が出た。…たまらない。いつも自分を猫か何かを見るようなナマエがこの時だけは女の表情を出す。ただ、男を求めるだけの雌に。ナマエに言われたまま、指をナカに入れていく。ゆっくり、ゆっくり入れて指がナカに入りきるとナマエから短く声が出た。


「…あっ…ん」


吐息と一緒に出るナマエの喘ぎ声を聞きながら神田は指を増やしてナマエのナカをかき回した。卑猥な声と水音が病室に響く。入れた指が溶けるのでないかと思う程熱いナマエのナカ。そこに早く入りたいと神田の下半身が疼く。ズボンが軽く痛いと感じる程度だ。


「はっ、指だけでイきそうじゃねぇか。」

「あ、あっ、だって、指、キモチイイ…っ!」

「そうかよ…!ならイッとくか?」


奥に当たるように、小刻みに神田は指を動かすとナマエが縋るようにシーツを掴んだ。神田はその手をほどいて手を繋いだ。すると握る手を強くしてナマエが首を振った。快楽から来る涙か、ナマエの瞳は潤んでいて、大人の彼女がとても愛らしく感じる。


「あっ、ユウも…、一緒が、いいっ、でしょ…?」


ナマエはそう言って動く神田の指を抜いて神田をベッドへと押し倒した。散らばる神田の髪を愛しそうに撫ぜてから、その手は神田の体の線をなぞって下半身へと辿り着く。ナマエはズボンの上でもはっきりとわかる神田の熱い膨らみをその手で取り出して、口に含んだ。口に含んだ瞬間、それがぐん、と硬くなって大きくなったのがはっきりとわかった。ナマエは嬉しそうに微笑んで含んだそれを優しく持って顔を動かした。どう舌を使えば男が感じるか、すでにわかりきった舌使いに神田は出そうになる声を我慢してやけに熱っぽい吐息を吐き出した。快感を我慢している神田の表情にラストスパートをかけようとするナマエの顔を神田は慌てて外した。


「は、一緒、がイイんだろ…。」

「…嘘。イきたかったクセに。」

「だ、まれ…。」


神田はナマエから伸びる手を繋いで、彼女を自分の腹の上に座らせた。


「ご褒美、くれるんだろう…?」


そう切なげに、次の快感を早く、とせがむ様な顔で言えばナマエは赤い唇で舌なめずりをした。


「本当…、せっかち、ね。」


ゆっくりと落ちてくる腰を今すぐにでも突きたかった。しかしこれ以上彼女にせっかちと言われるのは嫌だったため、彼女の焦らすような腰使いを耐えた。彼女から送られる言葉は全て、自分を下に見るような言葉。今まで年齢だって階級だって気にせず大きい態度を取ってきたが、彼女だけは神田をまるで猫か何かを接するような態度を取る。


「あ、あっ、…ん、は、」


それが悔しい。自分とこういう事をしているのはきっと彼女にとって猫とじゃれるようなものなのだろう。ぴったりと自分の腰とナマエの腰が繋がった。切なげに吐息を漏らしたのは神田の方だった。ナマエはそんな神田を見て先程フェラをしていた時と同じように嬉しそうに微笑んだ。恍惚の色が見える。


「ん、お…きぃ…」

「っ…おい、わざと、締めんな…!」

「…気持ちいいの?」

「だから、だま、れ…!」

「あ、ンっ」


我慢できずにナマエの中を突いた。一度強く突けば後はナマエが腰を揺らした。ナマエは神田の腹に手をついて陰核を擦り付けるようにして体を上下させ、胸を揺らす。神田は上で揺れる胸を鷲掴んで彼女の動きと一緒に腰を突いた。


「あぁっ、い、いぃ、…おくに、あたって…る…!」

「は、ナカがどろどろだぜ…!」

「んっあぁ、だ、めぇ、イく…!」


病室にベッドのスプリングと厭らしい水音と彼女の声が響く。


「イっちゃう…イっちゃうぅ!あ、ん、あァッ、」

「いく、ぞ…!」


ぎりぎりまで快感をそこに引き寄せるようにして神田は突くスピードを早くした。ナマエはすでに髪を乱して神田の上で苦しそうに気持ち良さそうに顔を歪めている。高まる射精感に誘われるように容赦なくナマエのナカをガンガンと突いた。


「ふ、ぁ、ぅあ…!んぅっ…アッ…――!」


首をそらして出た高い声。細かく震えた体。


「…っは、…!」


彼女の中で全て吐き出した、自分の性欲。ゆっくりと自分を抜き出せば、ナマエの体はぴくぴくと震えていて、あそこから自分の白い液体がとろりと出てきた。


「はぁ、…は、…はぁ、」


吐き出した性欲で頭がぼおっとなる中、彼女がいっそ孕めばどんなにラクだろうかと思った。だけどそんなのきっと無理だ。だって、彼女は、彼女は、


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