04真っ白な衣装に身を包み、鏡越しの人へと頭を預ける。
が、まだまだ機嫌が悪いらしく、眉間の皺がものすごく深い。
「もうここまで来たら、諦めないと。」
そう言っても中々表情が変わらない総悟君に苦笑する。
あの会議の日から、4日後の定休日。
松平さんの迅速な対応により、今日が撮影日になった。
この4日で撮影への不安から、純粋な楽しみに変わった私たち喫茶組と、それを見ていた土方さんは諦めに変わっていったのにも関わらず…総悟君だけは当日になった今でも、ご機嫌ナナメみたいで。
「ほらほら、衣装みんな可愛いでしょ?」
「…露出多過ぎでィ。」
「え、みっちゃんロングスカートだったよ?…痛っ!!」
思いっきり頭を叩かれ、椅子の上で丸くなる。
訳のわからないまま振り返ると、ため息をつかれ、前向けと命令された。
撮影はこの『SIN』店内で行うらしく、早めに撮影に入ったまこちゃんがカメラマンさんに指示されているのが、鏡越しに見える。
まこちゃんの衣装は真っ白なノースリーブとスキニー。
いつものベリーショートをオールバックにしててもの凄く似あってる。
今2Fでお着替え中のみっちゃんは確か、真っ白のワンピース。
みっちゃんの撮影のときは私もセットが終わってるだろうし、バッチリ見せてもらおう!
「ヘアモデルだったら、頭だけ写せばいいんでィ。」
「2人ともモデル並に綺麗だからさ。
撮らないと損だよ。」
「じゃあ、愛は?」
「私は酷かったら、2人だけの写真使ってって言ってあるし!」
一応この前、松平さんにお願いしていた。
…適当にあしらわれた気がするけど。
ちなみに私の衣装が真っ白のノースリーブにショートパンツ。
スタイルのいい2人にこの衣装で並ぶとか、公開処刑過ぎる!
…まあでも、モデルなんてこんな事がない限り一生しなかっただろうし、楽しまないと損だよね。
「楽しみだなあ。
総悟君、せめて髪だけは最高に可愛くしてね!」
「当たり前でィ。」
鏡越しに笑うと、やっと諦めたのか、いつもの顔に戻っていた。
魔法にかけられて(まだまだ続くよ!!)
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