遅かった

今日も俺は飲み歩いていた。
彼女を一緒に住む俺の部屋に置いて。

帰ってくると、暗闇の中で彼女は泣いていた。


めんどくせぇ


俺は無視をし、風呂に入りすぐに寝た。
そしてなまえは俺のベッドにもぐりこんできた。


ああ、疲れる


次の日の朝から彼女は小言を言う。

どこに行ってたの

何してたの

何で

なんで

の繰り返しだ。

俺となまえはずっと、友達だった。

けれど、俺はずっと好きだったから想いを伝えると、彼女も俺の事をずっと想っていたらしい。

そこまではよかった。

けれでも彼女はすごく俺に執着するタイプだった。


正直、もう彼女と闘えない、いられない。



俺は自分の隊舎に行き、彼女も自分の隊舎に向かう。



そして恋次から聞いた。

どうやら今夜は男が好きな女を外に連れて、一緒に過ごす夜、という事を。

何だそれ、めんどくせぇ。

「勿論、なまえちゃんと行くんスよね?」

「いかねーよ。」


そして俺は自分の隊の言い寄ってきた女を外に連れ出した。
彼女は何をしているのだろうか。
今日も一人なのだろうか。


俺には彼女が必要、だという事が分かっている。
それでももう、後戻りできないところまで来てしまった。



広場に来ると、多くのカップルが花火を見上げていた。

すると、向こうから見覚えのある女と朽木隊長がいた。
なまえだ。

向こうも俺に気付いたらしい。
そして彼女は人に紛れて、こけた。

俺は自然と体が動き、彼女の手をとった。
久々に彼女に触れた、気がした。

彼女はすごく嬉しそうな顔をしたが、俺はすぐに、なまえの手を朽木隊長に託した。




“もう何もかも遅かったんだ。”







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bkm
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