もうすぐ文化祭!
…なんてみんながみんな楽しみにしてるわけじゃなくて、どこにでもやる気のないクラスはある。






「それじゃ、うちのクラスは展示で―」
「意義ある人ー?」



「…じゃ、展示ね。けってーい。」









そんなわけで私のクラスは展示をすることになりました。














リボンVS俺















クラスメイトは全員年下。
でも居心地が悪い訳ではない。
なんだかんだうまくやってるし、楽しんでると思う。
ノリの良い今のクラスメイトたちは文化祭を謳歌する気マンマンで、コスプレ喫茶をすることになった。
今日はとりあえず買い出しに行くことにして、俺と前の席のやつで行くことになった。
その途中、





「あれ、お前帰んの?」

「だって、展示だし。やること無いアル」

「ふーん?…なあ、今日ヒマ?」

「ヒマだけど?」







帰る途中のチャイナと会って少し話をする。
聞けば暇、というので後ろを振り返ってクラスメイトを見て、ニヤリ。
チャイナに買い出しに付き合え。と伝えて、手を掴んで歩きだした。

後ろで困惑するクラスメイトがなにか言ってるのは放ってお











「…で?どういう事アルか。」

「何が?」

「これ、とこの状況アル」






未だ繋いだままの手と、まるで付き合っているみたいなこの状況に、少しすねた様子のチャイナが聞く。
「デート?」といえば真っ赤に顔を染めてそっぽを向いてしまった。
それをまんざらでもねぇな、と自己判断してそのまま買い出しを進める。







日も傾いてきた頃、ようやく全ての買い物を終えて、やることもなんもないけど、なんとなくまだ、帰りたくなくて、そのへんブラつく。
ふ、と視界に入った青いリボンの前で立ち止まり、隣のチャイナを見下ろした。
なにアルか、と少し首をかしげたチャイナのぼんぼりを外してそのリボンを付ける。






「よし。お前明日これで学校な」

「え?ちょ、何いって…!」

「オネーサン、これいくらー?」





戸惑うチャイナをそのままに、会計を済ませて、もう片方のおだんごもリボンに変える。元からつけていたぼんぼりを自分のポケットにしまい、これは没収でさあ。と笑うと、
ふざけんな!と追いかけてきたから、買い出しの袋をもって走り出した。











逃げるとき、いつもよりスピード遅いなと思ってちらりと後ろを見ると、リボンが取れないか気にしてるふうで、思わず笑って声をかけた。








「似合ってんぜぃ!」

「っ・・・!」









思わず足を止めたチャイナに近付き顔を覗きこめば、真っ赤に染まってて、今日二回目?と言えば見んな、バカ。と言って俺に背を向けた。













リボンをつけたのは俺。
そんな顔をさせたのも俺。
それでも。











(可愛いって思って、今ちょっといろんなやつに自慢したいとか思ってる俺は、)

(負け組?)












end
(あーあ。)
(きっと俺は、もう)
(手遅れ。)









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -