性格とか見た目とかから、吹奏楽やってたって言うと意外だって言われて来た。



好きなものとかないのか。

高校を決める時、担任に言われた言葉。
5分くらい迷って、口から出たのは楽器、と言うものだった。

そうして入学したのは吹奏楽で有名な学校で、今日はその学校の入学式。
めんどくさくって、サボってた私の耳に入って来たのは綺麗なバイオリンの音だった。
惹かれるがままにそこへ行くと、栗色の髪の青年がいて、思わず魅入っていれば、そいつはぴたりと演奏を止めて振り返り、一言。





「見物料、いちおくえーん。」





…これが私とあいつの出会いだった。













音(だけ)に一目惚れ












そいつの名前は沖田総悟。
1年留年した2年生。
黙ってれば爽やかイケメンに見えなくもないルックスと、あの音色。



「本当、残念アル。ばーか。」

「なんか言ったかぃ?」

「何も言ってないネ、ばか。」



ジト目で睨んでくる沖田を目を逸らしてかわせば、まあいーけど。とため息と共に吐き出して私の隣に腰を降ろした。







「お前、今日ひま?」

「忙し、」

「よし、じゃあ楽譜買いに行きてェんでさ。付き合え。」




そう、一方的に約束を取り付けて、便所ー。とか言って席を立つ沖田に「人の話し聞けよばか沖田ー!」と言っても、笑って誤魔化されてしまった。



今日はあいつと出会ってちょうど半年。
秋も半ばに入った文化祭の季節。
私はあのあと吹奏楽部に入部して、入学式に出会ったあいつに喧嘩を仕掛けた。
思ったより強かったのと、意外に興味が湧いてしまったのが運のツキ。なんだかんだ仲良くなってしまって、今に至る。





「仲良いわね、沖田さんと神楽ちゃん。」

「別に!…仲良くなんてないアル、」

「それにしては、さっきの放課後デートの約束でしょう?」

「あれは、あいつが…!」
「ふふ、明日お話聞かせてね、神楽ちゃん。」

「あ、あねごーっ」












時間よ止まれと願っても、時は止まることを知らず、
その後、姉御曰く、放課後デートに行ったんだけど。



…まあまあ楽しかったアル。











end
(あ、アイス買ってこーぜ。)
(お金ないアル)
(しゃーねェ、奢ってやりまさ。)
(やった!)





やっぱりサイトでやります。
書きたくなってきたんだもん笑


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