「やあ」と呟いた蝶に1/4
ーー今日も疲れたーー
なんて思いながらいつもの帰り道を歩く少女
いや、少女と表現していいのだろうか?
彼女の雰囲気はどこか近づけないモノだった
彼女の名前は霧咲夕暮
高校2年
職業、学生
彼女にはもうひとつの肩書きがある
否、あった
彼女は『殺し名』序列三位、零崎一賊
零崎識織「だった」
『元』、殺人鬼
「遅くなってしまった、早く帰ろう」
一人誰もいない道で呟く
もう太陽は沈もうとしており、カラスが夜を待ちわび鳴いている
そんななかで、
「ん?蝶、こんな季節に」
その瞬間
ー絶対に蝶に着いていかなければー
識織のなかに浮かんだのはこれひとつだった
そして彼女はその蝶を追って走り出した
(蝶の色は見たこともないくらい黒かった)
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