※やられ杉



「おっ、何持ってんのー?」
「なにこれ、うまそー! 調理実習?」


いつもパシっている岡田が今日は休みやがった。
しかたなく自分で購買に出向き、適当なパンを買って戻ってきたところ、教室まえで誰かが囲まれている。近づいていくとクラスでいつもうるさい男が数人、囲まれているのは志乃だった。

いつもはおろしている髪を後ろで低くひとつにくくり、ギンガムチェックのエプロンをしている。焼きたてらしいマフィンをのせた盆を持っているので、調理実習の余りものを差し入れに来たのだろう。


「あ、晋助!」


志乃は俺をみると嬉しそうに笑った。なんてこった。可愛い。
エプロンというオプションの偉大さに俺の思考は支配されかけたが、なんとか振り切って、俺は男共をねめつけた。


「わりィがこいつは俺に差し入れにきたんだよ。お呼びじゃねェ奴らは帰んな」


決まった、かどうかは別として、とりあえず俺は盆の上のマフィンをひとつ、手に取った。


「あ、待って晋助それ」
「あ? いいだろ、食わせろよ」
「ロシアンルーレットマフィンだかr「辛ッ!」
「あー、ハバネロ入り当たっちゃった?」


ハバネロ!? ワサビとかでいいだろうがつーか辛ッ! 死ぬ!


「あっ、銀ちゃんこたろー! マフィン食べてー」


生死の境をさまよいかけて激しく悶絶する俺をよそに、志乃は教室の中に駆け込んでいく。
横目で追うと、ニヤニヤと勝ち誇った笑みを浮かべる銀時と、軽蔑したような冷めた目をしたヅラがこちらを見ていた。ちくしょう。



どんまい

//2010.09.18
調理実習ネタ書きたかっただけですごめんなさい
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