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「なまえ、なまえ!見てコレ」

そう楽しそうに声を弾ませながら笑顔を向ける彼、イワンは私の彼氏で今夜は久しぶりにお泊まりしに来ているのだけど…

「部分擬態でね、ほら犬耳と尻尾!」
ああ、一つ備考を。彼は折紙サイクロン、つまりシュテルンビルトを守るヒーローなのだ。nextは擬態、戦闘向きでは無いけど潜入捜査等重大な任務もこの能力で行っている筈なんだけど…

「ね、ちょっと…興奮しない?こういうの」
『いいえ全く』

あ、耳と尻尾がぺしょって下がった。凄い心情と連動してるんだ、流石イワン!だけど使い所間違ってるよ!ビックリする程間違ってるよ!

「で、でもほら…なんかこう、野獣っぽくてさ…襲われてみたい、とかさ?」
『ごめんちょっと何言ってるのか分かんないや』

チラチラ私を期待に満ちた眼差しで見てくるものだから、一息でそう返すと更に耳と尻尾を下げて遂には顔迄下を向いてしまった。
…ちょっと言いすぎた、のかな?

『襲われたいとは思わないけど、可愛いとは思うよ』
そう言いながらもふもふの耳を撫でてあげる。思ったより毛並みが良くて、気持ちいい。

途端にピンッと嬉しそうに耳と尻尾が上を向いて、だらしのない顔をしてるイワン。
ああ、本当に可愛いなぁ。こんな可愛い人が私の恋人だなんて、申し分ないじゃない…

「つまり、可愛い皮をかぶった野獣の僕に襲われたいって事だよね!」

…前言撤回、もう少し人語を理解出来るようになって欲しい。

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