シリーズ | ナノ


グラハム・エーカーの場合





まぶしい光に目が覚め、隣でスヤスヤ眠る愛しい恋人に目をやる。


「おはよう」


起こさないように挨拶を済ませると、ベットから体を起こし朝の支度へと取りかかる。

いつもの正装に身を整えたグラハムは不意に出してしまったクローゼットの扉の音に、愛実が起きていないかともう一度ベットに目をやる


「……zzz」



しかし、とうの本人は何事もなかったかのように眠り続けている。


おかしい。





グラハムはホッとしなからも、何時もと違う彼女の行動が気になっていた。


と言うのも
最近、愛実の様子がおかしいのだ。




「愛実行ってくる。…チュッ 」




小さく音をたてキスをすると、一人で玄関をでた。











「で?何が言いたいんだい?」



静かに話を聞いてくれていたカタギリがため息混じりに訪ねる。




「だからだ、変だと思わないか?何時もなら、物音ひとつで目覚めてしまうのに、ここ最近は、まゆ一つ動かさない。」


「きっと 愛実も疲れてるんだろう。 」


「どんなに疲れていても、見送りは必ず欠かさなかったのにか?」


「そうなのかい?それは、凄いね。」




感心するカタギリにグラハムはさらに二人の愛を力説する



「それにだ、何時も美味しい手料理を振る舞ってくれるのに、ここ最近は出来合いのものばかり」



「へぇ」



半分諦めて、ドーナツを頬張りはじめたカタギリは軽くうなずく。



「他にもあるぞ!」


「まだあるのかい?」


「ぁあ、何時もなら、進んで出掛けたがる 愛実が、 部屋から出ない日があったり、出てきたと思ったらソファーで横になって動かない」


「ぅゎ〜。なんだか愛実らしくないね 」


「そうだろう!」



流石の変わりっプリに驚くカタギリ。



「そしてなにより!!何時もなら喜んで受け入れる夜の情事もあまり乗り気ではないのだ!」



「うーん。そこまではちょっと知らないけど。」



「何故だと思う?君なら何かいはい答えがでないか?」




最後の頼みとばかりに勢い良く尋ねたグラハムにたいし、またもやうーん。とうなるカタギリ



そして




「なんだか、君への愛が冷めてしまった様に感じるよ。」


「なっ!?なんと?」




返って来たまさかの回答にショックを隠しきれないグラハムは頭を抱えしゃがみこんだ



「もしかして浮気かな?ほら他に好きな人が出来たとか?………でも、ちょっとあの症状にも当てはまるような〜 」





ふと、心当りを言葉にしたカタギリはもう一つの可能性を思い付く。

しかし、ショックを受けたグラハムの耳には届く事はなく「ありえない、そんなばかな」と念仏の様に唱え始めた




「グラハム大丈夫だょ、きっと 愛実が浮気するはずないし。きっと…にん 」


「カタギリ!!そんなの分からないじゃないか!」



カタギリの言葉を遮り立ち上がると



「こうしてはおれん!今すぐ確かめねば!」



そう言って足早に行ってしまったのである。




「ぁあっ!グラハム!って…まぁぃいか。嫌でも誤解はそのうち溶けるよね。」














そして
数十分後






バーン!!


自宅の玄関を勢い良く開けたグラハムは

ソファーでゆっくりと休日を満喫している 愛実を見つけかけよる



「愛実大事な話がある。 」



「えっ!?グラハム?おかえり。ってちょっと早くない?」



「その話は後だ。今は私の話を聞いてほしい。」



真剣な瞳で言われ、何事かとあわてていた 愛実も冷静になった。




「 愛実、私は君が好きだ。君の幸せを一番に願っている 」


「……ぅん。ありがとう。」




突然の告白。嬉しいけど、少し戸惑いながらグラハムを見上げる



「けど、もう君は私では駄目なのか?」


「え?」


「私は本当に君を愛してる。真剣に結婚を考えているんだ。」


「グラハム…」


「けど、もし君の気持ちが変わってしまったなら、これ以上愛してしまわないうちに…」


「私もグラハムを愛してるよ」





「なっ、何?それは、本当か? 」


「本当に。…てか、嘘ついてどおするの?」




さっきまで、苦しそうにしていたグラハムの顔が一気に明るくなる。



「そうだな。けど…」


「けど…?」


「その…最近の 愛実は様子が違ってて。それを心配して…私は…… 」





また、苦しそうに下を向いたグラハム…


しかし、 愛実は全てを察したようで。





「ぁあ。えっと……何時もと違ってたのはね。」






そうつぶやくと

そっとグラハムの手をとると自分の下腹部へともっていく




「もう一人の身体じゃないから。……だから、ちょっと思うようにいかなくて」





そこまで言われ、やっと気づいたグラハムは弾けたように顔を上げる





「それはつまり!」



「赤ちゃんができたの。……私達の」



「なんと!でかしたぞ愛実!」





そして、 愛実を力強く抱きしめた。



「ありがとう。 愛実。愛してる。 」


「私も。愛してる」



そして、そっと口付けをかわした。







おまけ




カタギリ「やぁ。グラハム。そのにやけきった顔を見れると言うことは、誤解はとけたみたいだね。」

グラハム「ぁあ!その節は世話になった。にしてもだ、次なる試練がやってたようだ!」

カタギリ「ん?なんだい。」

そう言って分厚い本を取り出す。

カタギリ「赤ちゃんの名付け…なるほど。もう候補はいくつかあるのかい?」

グラハム「よくぞ聞いてくれた!見たまえこれを」

カタギリ「グラハム…これは」


カタギリが目をやった紙にはガンダムの名がいくつもつづられていた。


グラハム「うーん。やはりエクシアが一番だな」

カタギリ「…………。どんまいベイビー。」




END

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