「じゃあ、お邪魔しました」

「またいつでも来て下さいね」


あれから少し先生とお母さんは何かの話で盛り上がってた。わたしはそれよりも、これからどうなるんだろう、と漠然と考えていた。

とりあえず、お母さんは先生を凄く気に入ったらしい。


とりあえず、見送る。


「先生…また明日…?」

「なんで疑問系なんだよ」


クスクス笑う先生。なんか恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。


「…名前」

「!」


み、耳元で喋るなんてダメだと思います。くすぐったいし。うん。


「くすぐったい…です」

「…これから楽しみにしてろよ?」

「へ?」

「じゃあな」

「さ、よな…ら」


頭がついていかない。というか心臓がもたない。でも、明日になったら何も変わってなくていつも通りだったりするんだ。というかさ、冗談ってことも…ある。


「お母さん」

「なあに?」

「なんでいいなんて言ったの?」


わたしの意見を少しくらい聞いてもいいと思う。


「だって名前先生のこと好きじゃない」

「…うぇ?」


なんで知ってるの…


「自分の娘のことくらい何でも分かるわよ」

「お母さんってすごいんだね」


あらためて尊敬した。何にも考えて無いとばかり思ってました。母親ってすごい、うん。


「で、でもさ本当に結婚するかなんて分かんないよ…」

「その時はその時よ」

「なんていい加減な…」

「え?」

「なんでもない」


そんなに、にこやかな表情されたら怖くて何も言えないから。別にお母さんがそこまで怖いわけじゃないけど(いや怖いけど)お母さんが怒るとシカトから入るから面倒なんだよね。だから怒らせないのが一番良かったりする。


「とりあえず頑張りなさい」

「……はーい」


でも全然実感ない。


〜♪〜♪〜♪


あれ携帯どこだっけ。あ、リビングだ。メールとか誰だろ…いのかな?というか、いのに報告してない…。


Date ○/× 21:22
From 奈良 シカマル
Subject
本文
勝手に登録しといた
これからよろしくな、名前ちゃん



え…先生…?…嘘…。思わず顔がにやける。それに悪戯げな顔をして、あの声で名前を呼ばれている気がしてしまう。多分、きっと今顔が真っ赤だ…。先生はいつもずるい。わたしばっかドキドキしてるし。



Date ○/× 21:27
To 奈良 シカマル
Subject RE:
本文
先生のこと信じちゃいますからね。もうどうなったって知りませんから。

おやすみなさい。



可愛げがないとは思うけど他に何て返せばいいのか分からない。好きだなんて到底言えないし。わたしってこんなにメールの内容気にするタイプじゃないのに。とりあえず送ってしまえば何とかなる。返事があるような内容じゃないけど気にしてしまうから、お風呂に入ってすぐにベッドに入る。緊張して眠れないよりも色々なことがあって疲れた、の方が上回ってすぐに寝れた。



貴方の夢をみましょうか