今日は学校を休もうかな……というより休む気でいた。結局昨日、先生からメールもなければ電話もなかったし。

な の に !
お母さんに追い出された。勝手に元気でしょ!とか言いながら追い出された。とりあえずまた担任の代わりでとかなってたら最悪だから、遅刻しよう。今日は化学も無いし。適当にコンビニとかで時間を潰そう。

多分わたし的に昨日の女の人は先生の前の彼女で、先生はまだその人が好きなんだと思う。でも女の人もまだ先生が好きみたいだったから、別れたくて別れたんじゃないんだと思う。その寂しい気持ちを埋めるためにわたしを使ったんだろうなあ。それでも先生といれた時間は確かに幸せだった。仮に先生があの女の人とわたしを重ねていたとしても。


そんなことをぼーっと考えてたら、もう1限が終わる頃。そろそろ行かなきゃ。いのからもメールきたしね。相変わらず先生からはこないけど。って先生が送るわけないじゃん。はあー……



「あ、名前!おはよう」

「…いの…おはよう」

「何かあった?」


いのの優しさに思わず泣きそうになる。


「…なんもないよ?」

「…でも名前泣きそうよ?」

「…う゛ー…い゛の゛ー」


もう我慢なんて出来なくて、いのに抱きついた。(はたから見ればタックル)そんなわたしを、いのは心配してくれて、わざわざ屋上まで行って授業をさぼってわたしの話を聞いてくれた。


「くだらない話してごめん」

「くだらなくなんか無いわよ。それに先生は……」

「……?」

「とりあえず名前は自信持っていいのよ!彼女なんだから、ね?」

「…むr「ね?」…はい」


いのの笑顔が今は怖いです。有無を言わせない笑顔です。心臓があるいみドキドキ言ってますよ。


「とりあえず避けてても始まらないんじゃない?会いに行ったら?」

「……ん…」


まだ会うのは怖いし、別れ話をされるんじゃないかってびくびくもしてる。でも、それならそれで、ちゃんと先生と話さなきゃいけないんだ。いの、ありがとうね。


授業が終わるチャイムと同時に先生がいるだろう化学室に行く。


「失礼します」


とりあえず深呼吸してからノックする。次に中から先生の声が聞こえて中へ入る。


「……名前…」


驚く先生。声で気付いて貰えなかったのかな、なんてマイナス思考な脳を叩き割りたい。


「あ…の、」


何を話せばいい?前は何を話してた?もう脳みそはぐちゃぐちゃ。その空気を破るかのように先生の携帯が鳴る。先生は携帯のディスプレイを見て止まる。


「でていいですよ?」

「…いや…」

「あの女の人ですか?」

「……」


単刀直入に聞けば、ばつが悪そうにする先生。なんで出ないの?わたしがいるから?もう分かんないよ、先生…


「おいっ……名前っ…」

「何ですか?」

「…何で泣いてんだよ」

「…え?…あ…」


自分でも気付かないくらい自然に涙がでてた。


「先生、」

「……どうした?」

「別れましょうか、私たち」



ついに壊れ、もとには戻れない