「シカマルー」
 
「なんだよ?」
 
「仕事って言ってもさあ、クイズ番組に出るのに準備とかいるの?」
 
「…いらねぇ」
 
「仕事ある?」
 
「ねぇな」
 
 
って無いんかい!昨日までは仕事増える的なこと言ってましたよね!?
てかクイズってどういう問題なんだろう…

犯人は誰でしょう?説明もつけて答えなさい。
的な感じかな…?うーん、いまいちピンとこない。
あ、でも過去の問題とかあったりするかも!
 
 
「過去の問題のやつ見てみる?」
 
「めんどくせー」
 
 
めんどくせーって仮にも依頼だよシカマルくん。失敗したら報酬貰えなくなるんじゃないですかねシカマルくん。
 
 
「ぶっつけ本番で平気?」
 
「平気だろ」
 
「その自信はどこからくるんだよ」
 
「ここから」
 
 
言い切ったよこの人。あの、一発殴ってもいいかな?なんか、なんかムカつく!今この部屋に他の人は丁度いないし、やっていいかな?てかその笑顔やめろ。今すぐ殴りたいのに殴れなくなるから。
 
 
「不安か?」
 
「ぜ、全然!むしろ余裕っ!」
 
 
やべ、声裏返った。明らかに不安でしたって言ってるじゃんか!ちょ、自分しっかりしろ!
 
 
「前にも言ったけど…」
 
「…」
 
「俺に任せとけ、な?」
 
 
あぁ、この笑顔と頭を撫でる手がわたしの不安を全て取り除いてくれる。シカマルの匂いが仕草が全てがわたしを安心させる。
あぁ、やっぱり好きなんだ、って実感する。直接この想いを伝えて何かやらないけど頭の中はいつも貴方でシカマルでいっぱいだよ。
 
 
「おい、聞いてんのか?」
 
「へ、あ、うん」
 
 
シカマルのおかげでもう不安なんか無くなった。「不安なんてないよ」、って改めて言えば笑いながら「そうか」って答えが返ってきた。
 
 
「あ…」
 
「どうした?」
 
 
1つだけ不安要素残ってた。でもこれ言っていいのかなあ…すっごい私情だよね、コレ。でもシカマルの反応も気になるんだよねどうしよう。
 
 
「何かあんなら言ってみろよ」
 
「いや、あの、その」
 
 
ていうか言うのが恥ずかしいでしょ!やっぱり何でも無かったって言おう!うん、そうしよう!っていやいやいや、シカマルさん!そんな言わないとダメみたいな目で睨まないで!蛇に狙われた蛙ってこんな感じなのかな、蛙さん可哀想だよ。つまりわたしも可哀想だよ!
 
どうする?どうするわたし!
→逃げる
  話を反らす
  殴る
 
 
名前は逃げようと「〜♪〜♪」
ナイス電話!ナイスタイミング!もうかけてきた人愛してる!うん、言い過ぎた!愛してはない!
 
 
「もしもし、こちら奈良探偵事務所ですが……は?え、冗談でしょ?…もっと早くに言えよバカ!アホ!」
 
「名前?」
 
「大変だよ番組シカマル!クイズがクイズが「落ち着け」
 
 
落ち着く暇なんてないんだって!だけど、自分でも何言ってるのか分かんなくて、とりあえず一呼吸してからゆっくり落ち着いて言う。
 
 
「さっきの電話がナルトからで、」

「…」
 
「内容が…クイズ番組は生放送で今日のPM03:00から」
 
「は?」
 
「で、木ノ葉テレビ局にPM01:00集合だって…」
 
「ナルトのやろー連絡がおせぇんだよ!おい名前速く行くぞ!」
 
「あ、ちょ、待ってよ!」
 
 
只今の時刻はPM12:45残り15分。ちなみに事務所からテレビ局までは車で約30分。つまりだ、確実に遅刻。テレビに出たことなんてないから、遅刻したらどうなるかなんて分からない。だけど確実に怒られるんだような、と思うと泣けてきた。
 
数秒前のわたしの感謝を返せよ!電話の相手がナルトじゃなかったら感謝してもしきれない気持ちだったよ!でもコレはダメでしょ!


PM01:00まであと10分。テレビ局まではあと20分。いつもよりスムーズだったのか少し速く進んでる。が、遅刻は確実だと思うと胃が痛くなった。



遅刻まであと9分


(結局さっき何言おうとしたんだよ?)
(さっき?)
(電話がくる前…)
(…シカマルのファンが増えそうで不安って言おうとしたの!)
(……!)





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