今日もいつも通りに依頼者が来て内容を聞いてシカマルと調査に行くつもりだった。否それしかやることもないと思っていた。
が、1人の訪問者により違う1日へと変わっていったのだった…。ってこんな悠長なこと言ってる余裕ねぇぇぇぇよ!もう頭の中が混乱しまくりだよ!そう、今わたしの目の前にいるやつのせいで。
「あんたのせいで日常が非日常に変わってんだよコノヤロー!」
やべ、叫びすぎた。酸素が足りないよシカマル酸素くれ。
「そんなこと言うなってばよ!」
「ナルトは1回黙っとけ。んで、とりあえず名前は座れ」
「う、あ、はい」
シカマルに言われた通りに座る。そう、全ての原因はナルト。
「で、どうすっかなあ…」
ほら、シカマルだってため息だよ呆れぎみだよナルトくん。諦めなよ。だって依頼がクイズ番組に出てくれだなんてそんなの初めてだよ!しかも番組名が“クイズを解いて君も名探偵!”ってそんな番組にそもそも本物の探偵出していいんですか?いや、ダメでしょ!
「頼むってばよ!」
顔の前に手を出して祈るようにしながら、な?友達だろ!?って必死なナルトなんか気にしちゃダメだよシカマ「仕方ねぇなあ」
え?え?今なんと?
「さすがシカマルだってばよ!」
「その代わり報酬は普通より上げんぞ」
「おう!」
え?え?テレビに出るってことですよね?無理無理無理え、無理。つか緊張で死にますって。しかもナルトもいるけど、もし、もしシカマルと2人で映るとことかあったらもう無理!死んじゃう!
てかシカマルかっこいいしイケてる派だからテレビに映ったらファンが増えちゃう!(現時点で何名かシカマルのことスキみたいなこと言ってる人こないだ見つけたばっかりだし…)
仕事が増えるかもしれないってゆうのは嬉しいけど、シカマル目当てとかはヤダなあ……
ん?頭が重い…?う、あ、シカマルの手が頭の上にあるよ!
「心配すんな」
そう言って先輩はわたしの髪の毛をわしゃわしゃしながら、微笑んでくれた。
あ、なんか安心する。
「うん、でも探偵が出ても大丈夫なのかな?」
「あぁー、平気だろ。俺に任せとけ、な?」
「うん!」
安心して笑顔になればシカマルも笑顔になって、また髪の毛を撫でてくれた。
髪の毛が崩れるとかの心配よりも、そうして貰えることが嬉しくて、シカマルが次の言葉を言うまでナルトの存在をすっかり忘れていた。
「ナルトは何でそこまでして、この番組にでてぇの?」
確かにそう言われて見ればそうだよね。なんで?
「優勝した組には一楽のタダ券(1年)が貰えんだ!!」
「はぁ、そんなことだろーと思ったぜ、ったくめんどくせー」
「ってことでよろしく頼むってばよ!」
って帰るの速いな。まあ、ナルトらしいけど。
一楽のためにそこまでするのか…。でも一楽のラーメン美味しいしね!わたしも欲しくなってきた!
こうなったら頑張るしかないよね!
「シカマル!」
「なんだよ?」
「頑張ろうね!」
「…あぁ」
いや、そんなに目を大きくしてさ、あからさまに驚かなくてもよくない?変なこといってないよね?
きょとんとしてたら、今度は急に笑いだしたシカマルさん。え、情緒不安定?
「何で笑ってるんですか?」
「いや、なんでもねぇ」
「嘘はダメですよー」
「怒んなよ?」
「…?うん」
「いや、一楽のタダ券でやる気が出るとか単純だなって思ったんだよ」
「…!」
な、なんてことを言うんだ!人がせっかくやる気を出していたのに!もう地球一周するくらいのやる気だったのに!
「んな拗ねんなよ」
「拗ねてません!」
「俺は単純なやつの方が好きだぜ」
なっ!うぅー…
シカマルさん、貴方はわたしを死なせる気ですか!誤解しますよ!
likeじゃなくてloveにとらえちゃいますよ?って自意識過剰だよわたし!
ああ、もう心臓がうるさい!
あー、この赤い顔と心臓のどきどきが、シカマルに気付かれませんように。
非日常に変わる
(これから仕事増えんぞー)
(えー!)
(文句は聞かねぇ)