あと一問で決まったらいいなあ、とか色々考えてる。というかここから早く出たい。


MC「では第3問め!の前に…」


え?なんかあるの?水を足すとかそういうのは嫌だよ。泣いちゃうよ?泣かないけど。とにかく無駄に色々考えちゃうし緊張するから早く言ってよ!

シカマルもいい感じだし、今ならいけそうなんだから…


MC「ここで特別ルールです!」


特別ルール…?解答者に2ポイントあげます、とか?そういうベタなパターンはやめよう?


MC「この問題を正解したチームには2ポイント差し上げます」


おいっ!ベタなパターンきちゃいましたか。だったら始めから頑張らずにこの問題だけを頑張ってたわ!


MC「しかしシカマルチームや他のチームが正解すればもちろん、正解したチームに2ポイント」


別にしかしじゃないよね?すっごく当たり前のことを言ってるよね…?


MC「負けた場合つまりシカマルチームが間違えたり答えられなかった場合は、他のチーム全てに2ポイントとなります!」


「「「は?」」」


あ、今チームが一致団結したよ。あのナルトでさえも“は?”って言いましたよ。“なんでだってばよ!”じゃなくて。

ってちがう!!一致団結とか今はどうでもいいよ!なんでそんな理不尽なわけ?ありえないでしょ。


「ずいぶんと理不尽じゃーねぇっすか?」


うんうん、シカマルの言う通り。いくらなんでもおかしいよ。


MC「番組を面白くするためですよ」

「そんだけっすか」

MC「それだけです」


MCの人すごい笑顔で逆に怪しいんですけどおおおおお。それだけとか、うーん…

色々考えていればMCの人が、上からの企画でもあるから仕方ないんだよねーとかなんとか言ってるけど、というか本音だよね?それが本音だよね?実は俺もめんどくさいしこんなのやりたくないんだよ、的な感じですよね?


MC「では、問題です」


あ、始まっちゃったよ。もうどうにでもなれ。ん?でもこれって間違えたら水くるのかな……きたらいやだなあ


MC「いじわる問題です、1+1=?」


1+1=2だよね?いやでも、いじわる問題だし違う答えか。


「ピポーン!答えは2だってばよ!」
「おい、ナルトっ!」


ああああ!ナルトのバカっ!いじわる問題なんだから2じゃないでしょうがあああ!シカマルもやっちゃった的な顔してるからね!


MC「……」


う、今日一番の緊張かも。













MC「残念っ!不正解です!」


やっぱりね。いじわる問題だもん。普通に答えたらそりゃあ違うよ。シカマルとの一楽があああ…


「なんでだってばよ!」

MC「いじわる問題ですから。答えは定番の田んぼの田とか古いの古とかが正解ですね」


くだらなすぎる。第3問めがこれってありえなくない?答えちゃうナルトもナルトだけど。

みんなあと1ポイントで次に進むのか…。最初の2問なんだったんだろう。


MC「おおーっと、な、なんと2ポイントではなく3ポイントになりました。つまりシカマルチーム以外は全員次へ進みます!」

「「「?」」」


え、なんでなんでなんで。これで終わりってこと?意味分かんないんですけど。


MC「しかし始めの2問を素晴らしい解答で解いてくれたシカマルチームには、一楽1日食べ放題(1人限定)プレゼントです!」

「一楽食べ放題だってばよ!」


ナルト喜びすぎだから。1日だけだし、それに1人だけ。つまりわたしとシカマルは一緒に行けないってことじゃないですかあああ!


MC「じゃ、次のチャレンジを期待してます!」


切り捨て早いぜ!心が痛いよー。シカマルなんかもうどうでもよさそうに欠伸なんかしちゃってさー。




「おい、ナルト」

「?」

「依頼は失敗したから報酬はいらねぇー」

「そーかー?」

「おー」

「じゃ、俺は一楽行ってくるってばよ!」


食べ放題は今日じゃないけどね。あの調子だと勘違いしてそうだな。まあ、知らないけど。

報酬なしかあ、でも仕方ないよね。次の依頼頑張らないと!


「シカマルー」

「あー?」

「クイズの2問めのやつさあー、何で分かったの?というか、探偵っぽかった」

「探偵だけどな」

「そーだけどさ」

「名前が来る前はそういう依頼もあったんだよ」

「うそっ!?」


いいな、わたしもそういうのしてみたい!暗号とか解読してみたい。探偵っぽいもん。だって浮気調査とか全然探偵っぽくない。人が死ぬのとかはもちろん嫌だけど、推理?してみたいじゃないですか。

「めんどくせぇーだけだろ」

「あ、声にでてた?」

「ばっちりな」


そんな呆れた顔をしなくてもいいじゃないか!ため息までついちゃってー、全く幸せ逃げちゃうぞ!あ、ちょっと今自分でやっといて気持ち悪くなったわ。柄にもないことはやらない方がいいね。

だけどやって見たかったんだもん。でもこれからそういう依頼きたりするかなあ…きたらいいなあ。シカマルの考えてる姿ってきゅんきゅんするんだよね。


「名前」

「んー?」

「にやにやしすぎ」

「え、しししてない」

「ククッ…」


やばい吃りすぎた。怪しいよね怪しい感じになっちゃったよね。しかも笑われたよ。あああ、恥ずかしい穴があったら入りたい隠れたい逃げ出したい。

あ、怪しいといえば3問めのルールはやっぱり納得いかないんだよね。


「3問め」

「へ?」

「ありゃ理不尽すぎるよな?」

「…うん」

「なんかあるかもしんねぇーな」

「なんかって?」

「さあーな」


シカマルもやっぱり同じこと思ってたんだ。でも、“なんかある”なんてことがあるだろうか?

たかが番組で、そこまでする理由は?遅刻したから嫌われた?いや、それはないか。シカマルの嘘を信じてたし。じゃあなんでだろう。

一楽を我慢するかわりに、というのは変だけど、このモヤモヤが解決してくれたらいいな。



疑問は増すばかり


(一楽残念だったね)
(ま、いつでも行けんだろ)
(じゃあ今日!)



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