シカマルのおかげで怒られずに済んだし、無事にリハーサルとか準備とか大体の事が終わって、本番までは控え室で待機。もちろん、わたしたち3人も待機中。
 
でもリハーサルとかやってみて意外と楽しくて本番がちょっと楽しみになったんだよね。相変わらず全く緊張しないまではいかないけど、思ってたより緊張もしてないし。うん、なかなか良い状態だよね!
 
遅刻した原因であるナルトには、ケーキ奢って貰うってことで許してあげたから、遅刻の件についても、もうスッキリだしね。
 
あとは優勝して一楽のタダ券をGETするだけ!そしたらお金も浮くし、シカマルを自然な感じで誘えるて一緒に行けて、一石二鳥!ちょっとナルトに感謝かも。
 
 
「嬉しいことでもあったか?」
 
「ふぇ?」
 
「ククッ…なんつー声出してんだよ」
 
「え、あ、いやえっと、あの…」
 
 
シカマルが突然話しかけるからびっくりして間抜けな声が出ちゃったんだよ!それにシカマルのこと考えてたなんて絶対に言えない!うわああ、もうどうしようどうしようどうしよう…
 
 
「言えないことかよ?」
 
「え、いや、全然!」
 
 
そ、そんなちょっとシュンっとした顔しないでよ。ちょ、え?でもいつもと違って可愛いよシカマルさん。どきどきするんですけど。ギューッってしたくなるんですけど。これを母性本能って言うのか…?
 
 
「タダ券貰えたらいいなあ、って。そしたら、たくさん食べれるなあ、って」
 
 
うん、やっぱりシカマルと一緒に行くのを考えてたとは言えない。でも嘘はついてないし…。平気だよね?
 
 
「ククッ…そーゆーことかよ」
 
「バカにしてるでしょ?」
 
「してねぇーよ」
 
「嘘だあ…」
 
 
笑ってるじゃないか。それで否定されても全然説得力ないんですけど。やっぱり言わなきゃ良かったかなあ…
 
 
「嘘じゃねぇよ」
 
「…」
 
「優勝して一緒に食いに行くだろ?」
 
「…! うん!行く!」
 
 
幸せ過ぎる。いまなら死んでもいいかも。あ、死んだら一緒に行けなくなっちゃうからダメだ!いま絶対に顔赤い。シカマルは女の子誘うの慣れてるのかなあ…。ってマイナス思考はよくないよくない!とりあえず優勝する事だけに専念しなきゃ。これが依頼でもあるんだし、うん。
 
 
「そろそろ時間だな、行くぞ」
 
「うん!」
 
 
よしスタジオ行こう。…ん?何か忘れてる?何だっけ?…ナルト起こさなきゃ!…え、起きてる…。
 
 
「…ナルト…。」
 
「…なんだ?」
 
「いつから起きてた?」
 
「名前が行くとか言ってたとこらへん?」
 
「…そ、そっか」
 
 
顔赤いとこ見られた…?う、うそ…。いや、でもナルトだし大丈夫だよね…?
 
 
 
 
「っいひゃい」
 
「わりぃ」
 
 
痛い。何かにぶつかった。うおわああ!シカマルの背中じゃん。お、あ、ち、近い。でも何で止まったんだろ?
 
あ、前がただ単につまったんだ。スタジオはもう目の前。やっぱり緊張はするね。問題はシカマルに任せるとして、わたし足引っ張らないようにしなきゃ。あとナルトを止める役も。ナルトは多分答えたがるだろうし。でも全部我慢させるのもあれだし、どうしよう。
 
 
社員「じゃあ、皆さん登録してあるメンバー3人でリハーサルの時と同様に席について下さい」
 
 
席は横4組で縦3列だから全部で12組が参加する。わたしたちは、2列の右から2番目め。ま、席はあんまり関係ないけど。
 
 
 
リハーサルでは、この後に早押し問題で3問正解したチームから抜けていく。ここで4組落ちる。どこのクイズ番組にもありそうな感じで安心したんだよね。
 
 
 
社員「えー、1分後に本番になります。それから、リハーサルをやってもらいましたが、全て忘れて下さい」 
 
 
え、なんで?ていうかみんな困ってますよ。もちろんシカマルもこれには驚いてるし。ナルトも頭にハテナを浮かべてるし、他の組の人たちも混乱してる。


社員「静かにして下さい。詳しいルールや説明はこちらがちゃんとしますし、安心して下さい。じゃ、まもなく始まりますんで」


説明するからって。ちょ、あんたら無謀すぎやしませんか。こんなんで大丈夫なの?すごく不安なんですけども。でもシカマルはもういつも通りだし、他の人達も、なんとかなるかって感じだし…。わたしがおかしいのか!?そうなのか!?


「そんな不安がんなよ。なんとかなんだろ」

「…う、うん」


とりあえず早押しじゃなくなるってことかな…?あ、番組始まっちゃったよ。平常心平常心。


MC「さあ、始まりました!クイズを解いて君も名探偵!まずは早押し問題です。と、その前にルール説明です」


あれ、早押しから?リハーサルと変わんないじゃん。


M「それぞれの組に女性が1人います。全員水槽の上にたって貰います。早押し問題で予選落ちした4組に所属する女性は水槽の中に大量の水が流れ込みます。では、始めましょう!」


は?ちょってことは…もしもしわたしたちの組が予選落ちしたら、わたし水かぶるってことだよね!?え、絶対やだ!濡れたくないし何故そんなところをテレビで見られなきゃいけないのさ!?


M「では、女性は水槽の中へ」


お願いだから、ナルトはシカマルに任せて大人しくしてて下さい。最後に言いたかったその言葉も言えなかずに水槽へ。先が不安すぎます。



最悪な状況に
なりました



(水とかやだ!無理!)
(予選落ちなんかしねぇよ)
(信じてるからね!)
(おう)