『ねぇ 君可愛いね
これから放課後デートで ぐはっ』

背中から跳び蹴りをくらって倒れる雅人

「てめぇっ 今から塾だろうが!!
行くぞっこの馬鹿!」

雅人の制服の襟を持って引きずって連れて行く燐

『愛が痛い、ぜ
あっ 可愛い君!!また今度誘うから!!
俺の顔覚えててねっ椎乃宮 雅人って名前!あ あと好みのタイプは可愛いこ
性格が可愛いとか最高かな』


蹴られた場所を押さえて引きずられながらナンパした相手に自分を覚えてもらおうと必死な雅人

『あ あと、』
「あ しえみ」
『何だと!!しえみちゃん何処!』

しえみの名前を聞いた途端 立ち上がりしえみを捜しはじめた

「あ 見間違えた」
『あ あの子可愛、うっ』

今度は肘で鳩尾を突かれた

「行くぞ馬鹿!!」

そう言うと足速に塾に向かう燐

『あ 燐っ 待てよー』

「だ 誰が待つかっ」

とか言いつつ歩く速度をゆっくり下げていく燐。そんな燐に気づいて雅人は微笑みながら駆け足で燐の傍に行った

『どうせ行くところは同じなんだし 一緒に行こうぜ』

「お前がどーしてもって言うなら
行ってやらないことも、ない」

『おうっ どーしても!!』

ニカッと笑い燐の手を握る雅人

「…っ!ば おまっ、手っはな、離せ!!」

顔を真っ赤にして繋がれた手を振り回す燐

『ほらほら 暴れない暴れない』

繋がれた手を次は恋人繋ぎにする雅人 そしてその手が燐に見えるように大振りに腕を振るう勿論 それに気づいた燐は更に顔を真っ赤にさせ ほんのちょっとだけ抵抗した


















可愛い嫉妬と抵抗
(あっしえみちゃん!!)
(むすっ)
(あのっえ、う ごめんなさいいいっ)
















しえみちゃんと主人公が中々仲良くなれないのは燐の嫉妬とそれに気づいてしまうしえみちゃんなりの努力と気遣いのせいもある

20110523*