日本人とイタリア人のハーフである隼人は、その影響で生まれつき銀髪で目付きも悪かった。

それだけでさえ柄の悪い不良に見えてしまうのにあいつは煙草まで吸ってるから、他校の不良に喧嘩を売られることも度々あった。



そんな、ある日の帰り道。

「お前がみょうじなまえ?」

「へ、」


隼人と別れた後にいかにも悪そうな感じの他校生に声をかけられた。

「…そうですけど」


私こんな人達に声かけられることしたっけ、隼人じゃあるまいし。


「やっぱり! ほら、こいつが獄寺の女だよ」

「は、ちょっ、」


まさか、


そう思った時にはもう遅くて、鈍い音がしたと同時に意識が遠のいていった。





「ん、」


薄く目を開けると視界に映ったのは隼人の部屋だった。


「い゙っ」

驚いてガバッと起き上がるとズキ、と頭に鈍痛が響く。



あぁ、私殴られたんだっけ。痛む頭を押さえて、立ち上がろうとする。



そこで廊下からバタバタと走る音が聞こえてきたと思った瞬間、バンッと音をたててドアが開いた。



「お前っ… 目ぇ覚めたのか!?」

「は、やと」



入ってきたのはもちろん隼人で。だけど、無数にある額の傷が、ものすごく目立ってた。



「お前、俺がいろんな学校の奴に目つけられてること知ってんだろ! なんで警戒しねぇんだよ!!」

「…いや、頭が回らなかった」


そう、まさか隼人目当てだなんて思ってなかったから殴られるなんて思わなかったし。


「ったく… でも俺呼ぶためになまえに手ぇ出すと思わなかった、悪ぃ」

「や、べつに… こっちこそごめん」


確かに隼人のせいで私がこんな目に遭わなきゃいけなくなるのはおかしいと思うよ。だけどさ、きっと隼人一人だったら隼人がこんな怪我することなんてなかった。


「…なんだよ、そんな顔して」

「私、いっつも迷惑ばっかかけて」

「…はぁ?」

「隼人の邪魔ばっかしてるよね、ごめん」





「バーカ」

「いった!」


真面目な話してたのに、いきなりデコピンをかまされた。地味に痛いんですけど。


「べつにお前のせいじゃねーし、その、だから…泣くなよ」






ぶっきらぼうなくせしていつも優しくしてくれる。
そんなとこが、喧嘩ばっかしてても隼人と一緒にいようと思う理由なのかもしれない。







君との理由を探してた

Title by 「たとえば僕が」様


君との理由を探してた




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